福利厚生に関する情報を社内文書で分かりやすく伝えるポイントとは
福利厚生の情報を社内文書で発信しよう
福利厚生制度は従業員に活用されてこそ意味があります。そのため、福利厚生に関する情報は、社内文書を通じて全従業員に分かりやすく伝達されなければいけません。
社内文書は企業にとって重要なコミュニケーション手段の1つですが、全従業員に情報を正確に伝えることは意外と難しいものです。今回は、社内文書の役割と作成のポイントについて見ていきます。
社内文書とは
社内文書は社内で使用するために作成される書類で、通達、稟議書、報告書、届出書、通知書などがあります。
「指示、命令をする」「報告する」「届出、申請をする」「連絡、調整をする」「記録、保存する」など、さまざまな用途・目的で使用されますが、福利厚生に関する社内文書としては「慶弔災害届出書」「厚生施設利用申込書」「人事制度のアンケート」などが挙げられます。
「です・ます」調で書く
福利厚生に関する社内文書においては、一般的に「です・ます」調で統一して書きます。簡潔さを追求する場合は「だ・である」調を使うこともありますが、社内での決まりがなく判断に迷ったら、「です・ます」調を使うようにすると良いでしょう。
前置きは省略する
形式よりも簡潔さが求められる社内文書では、儀礼的なフレーズや季節の挨拶文などは書かず、すぐに本題に入ります。丁寧さよりも、この文書が何を目的としているのか、従業員に何をして欲しいのかなどを明確にすることが大切です。
社内向けに忘年会に関する案内文を出す場合、書き出しは「下記の通り、今年度の忘年会を開催いたします。」などとします。一般的にビジネス文書に使われる「拝啓 梅雨の候、貴殿におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。」といった挨拶文は不要です。
用件を簡潔に書く
社内文書は分かりやすさが大切です。難解な表現やオリジナリティは必要ありません。5W1Hを意識して簡潔に書くように意識しましょう。いくつかの項目を並べるときには箇条書きを使うのも有効です。
社内文書においては敬語の使用も必要最小限にとどめることも大切です。丁寧すぎる文章は冗長な印象を与えるので注意しましょう。
基本フォーマットを理解する
社内文書は、一般的に文書番号、発行年月日、受信者名(宛名)、発信者名、件名、主文、記書き、追記、結びを基本とします。
文書番号は作成した文書の通し番号です。福利厚生に関する社内文書の場合は省略することも多いので、事前に確認しておきましょう。
社内文書には作成日ではなく発行年月日を記入します。発行年を西暦とするか元号とするかは企業によって異なるので、慣例に従うことが推奨されます。
受信者名(宛名)は、一般的には所属部課、職名、氏名などを記入します。2人以上に向けた文書の場合は「各位」を使用します。
福利厚生に関する文書は、従業員全員に向けて発信されることが多く、その場合は「従業員各位」「社員各位」などとします。「各位」は、それぞれの人を敬って使われる言葉なので、目上の人に使っても問題ありません。
発信者名には所属部課、職名、氏名などを書きます。総務部長を発信とする場合は、「総務部長 氏名」とします。
件名は「新入社員歓迎会のご案内」「社員旅行のお知らせ」など簡潔に、分かりやすいタイトルをつけます。
主文はすぐに用件に入ります。伝えたいことを明確に、短く書くように意識しましょう。
記書きは箇条書きで書きます。日時や場所、会費など、ポイントを絞って書きます。福利厚生施設に関する案内を出す場合は施設名や、場所、料金などを書くようにすると良いでしょう。
追記は主文に付け加えたいことがあるときに記入します。必要に応じて、添付書類をつけることもあります。
結びは文章の終わりを示します。「以上」でまとめて、文章が終わったことを分かりやすくします。
テンプレートを用意する
社内文書では、一般的に1枚の用紙に1件の内容だけを書くようにします。福利厚生に関する社内文書は、従業員に対してのアンケートや調査、福利厚生施設の利用申込書など多岐にわたります。業務を効率化し、誤りを少なくするために、用途や目的別にあらかじめテンプレートを用意しておくのがオススメです。
株式会社 HRビジョンが運営している「日本の人事部」では、福利厚生の情報発信に役立つテンプレートを公開しています。無料の会員登録することでダウンロードもできるので、参考にしてみても良いでしょう。
まとめ
これまで見てきた通り、社内文書を通じて、従業員に福利厚生に関する情報を正確に伝えるためには多くのポイントがありますが、用件を分かりやすく伝えることが何よりも大切です。慣れるまでは、できるだけ簡潔に、明確に、伝えたい内容を絞ることを意識して作成すると良いでしょう。
(画像はphoto ACより)