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2022年に起こる、市場再編について

東証は2022年4月に現在の東証一部市場・東証二部市場・東証マザーズ・東証ジャスダックの4市場をプライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3市場に再編することを発表いたしました。

市場の歴史

東京証券取引所の株券売買立会場は、1878年(明治11年)に、東証の前身である東京株式取引所が売買立会場を開始して以降、約140年以上にわたって、わが国の証券・金融市場の象徴として活動してきました。


2013年当時は、市場統合にあたり、上場会社の負担や投資家の混乱を回避するために、それまでの市場構造(一部・二部・マザーズ・ジャスダック)を維持することとしました。

・変更する理由

① 各市場区分のコンセプトが曖昧であり多くの投資者にとって利便性が低い
→市場第二部・マザーズ・ジャスダックの位置づけが重複等
② 上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けの点で期待される役割を十分に果たせていない
→市場第一部へのステップアップ基準は、上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けの観点から十分に機能せず等
③ 投資対象としての機能性と市場代表性を兼ね備えた指数が存在しない
→多くの投資者がベンチマークとしているTOPIXは、市場第一部全銘柄で構成

今後の影響

これまで、東証一部上場という看板が会社にとって、時価総額や資金調達、広告やPRに大きな影響を与えてきました。しかし、曖昧な基準を続けてきたことによって、東証一部上場企業の数が膨大に増加してしまい、日本の最上位市場としての質が低下している現状があります。また、東証一部の全企業がTOPIXへ組み込まれるため、企業価値が低く、改善に向けた努力もしていない企業にまでインデックス運用の資金が流れてしまいます。
今後は、プライム市場に残りたいが、基準を満たしていない会社が多く発生し、残留をかけたM&Aが活発に動くかもしれません。
また、東証は今回の再編を「上場会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支え、国内外の多様な投資家から高い信頼を得られる魅力的な現物市場を提供すること」を目的としているため、より海外投資家からの資金を日本市場へ集めたい意向が見えます。

より詳細な情報は東証HPにわかりやすく記載しておりますので、ご参照ください。

引用:https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/index.html

渋谷事務所
川原 洋平

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