郵便貯金の払戻し期限に注意
【郵便貯金の払戻し期限に注意】
平成19年9月30日以前(郵政民営化前)に郵便局に預け入れた、定額・定期・郵便積立貯金等をお持ちではありませんか?
お祖母様が、お孫さんが生まれたお祝いに、お孫さんの名義で定額郵便貯金。
お孫さんも両親も知りませんでした。
当時、お孫さんたち家族はお祖母様と別居していましたが、数年後に同居。ご両親が管理している預金通帳等は、全て住所変更をしましたが、お祖母様が預けた定額郵便貯金は、そのままになっていました。お祖母様がご高齢になり、ご家族が一緒に書類等を整理していたら、その定額郵便貯金証書があったのです。預け入れから発見まで、21年が経過していました。直ぐに郵便局に行きましたが、権利消滅のため、すぐには払い戻しが出来ないと言われ、『郵便貯金証書払戻請求書(権利消滅)』の用紙を提出するようにとのこと。但し、一度権利消滅してしまったものなので、請求書提出がなされても、必ず払い戻しが受けられるわけではないと説明を受けたそうです。私も、念のために郵貯コールセンターに電話確認しましたが、同様の回答でした。
満期後10年間払戻し請求がない場合は、満期後10年を経過する際に「満期日経過のご案内」が送付されます。満期後20年を経過してもなお、払戻し請求がない場合は、「権利消滅のご案内(催告書)」が送付されます。その後、2ヶ月経っても(満期後20年2ヶ月)払戻し請求がない場合は、旧郵便貯金法の規定により、その郵便貯金の権利は消滅してしまうのです。
お祖母様が預けた定額郵便貯金証書は、住所変更がなされていなかったために、通知を一切受け取ることが出来ませんでした。
郵貯ホームページには、『満期後にお手続きをされ、その事実が確認された場合は、お支払いできることもありますので、満期後20年2か月の経過にかかわらず、郵便局の貯金窓口又は、ゆうちょ銀行の店舗までお申し出くださいますようお願いいたします』と記載されていました。お支払いできることもある・・・ということは、復権が出来ないこともあるのですね。
権利消滅額は、平成19年度から平成30年度まで、累計1056億円。平成22年度の消滅額が234億にも上り、他年度と比べて格段多いのは、平成2年の高金利時に預け入れられたものの権利が20年2か月経過したものと思われます。
*平成19年9月30日以前に預け入れた通常郵便貯金、通常貯蓄預金は、郵政民営化の際にゆうちょ銀行に継承されているので、権利消滅の対象にはなりません。
*平成19年10月1日以後に預け入れた貯金は、旧郵便貯金法の規定外のため、同法による権利消滅はありません。
出典元 郵政管理・支援機構HP
https://www.yuchokampo.go.jp/topics/attent.html
川崎事務所 長谷川三千代