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慣用句の意味合っていますか?国語に関する世論調査

文化庁では「国語に関する世論調査」を行っています。これは、平成7年度から毎年実施しているもので、全国16歳以上の男女を対象とし、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する目的で行われています。

平成30年度「国語に関する世論調査」の結果から、いくつか問題を出します。
本来の意味はどちらだと思いますか。

1. 憮然  例文:憮然として立ち去った。
(ア) 失望してぼんやりとしている様子
(イ) 腹を立てている様子

答 (ア)

2. 御の字  例文:70点取れれば御の字だ。
(ア) 一応、納得できる
(イ) 大いに有り難い

答 (イ)

3. 砂をかむよう  例文:砂をかむような思いがした。
(ア) 悔しくてたまらない様子
(イ) 無味乾燥でつまらない様子

答 (イ)

《年齢別の比較》(問1.、2.、3.)

私は、この調査結果を見て意外に思う点がいくつかありました。
まず、「憮然」は30代を境に認識が逆転しています。年齢が高い方の方が、本来の意味とは違う認識の方が多いことがわかります。
「御の字」は本来の意味とは違う認識の方が多いものの、20代から60代では4割程度が本来の意味を認識しています。
「砂をかむよう」は、50代までは6~7割程度が本来と違う意味の認識となっています。

また、問題を出します。
どちらの言い方が本来の言い方だと思いますか。

4. 「自分の言うことに、うそ偽りがないことを固く約束するさま」
(ア) 天地天命に誓って
(イ) 天地神明に誓って

答 (イ)

5. 「論理を組み立てて議論を展開すること」

(ア) 論陣を張る
(イ) 論戦を張る

答 (ア)

《年齢別の比較》(問4.)

この調査結果から、本来の意味だと思い使ってきた言葉が本来の意味ではない可能性があると考えられます。
会話の中で、話が噛み合わないと感じることはありませんか。もしかしたら、慣用句等の意味の認識の違いが要因なのかもしれません。
人と人とのつながりの中で言葉はとても大切です。
会話を楽しむためには、言葉の意味だけではなく、相手の意図することを汲み取ることが大切だと思います。また、自分が伝えたいことも正しく伝わるように言葉を足していくといいのではないかと思います。

「国語に関する世論調査」には、この他にも国語に関するいろいろな調査結果がでています。関心のある方はぜひご覧になってください。

出典:文化庁HP「国語に関する世論調査」
横浜青葉事務所 平見 祥子

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