災害時の住宅ローン控除
令和6年能登半島地震につき被害を受けた方についてお見舞い申し上げます。
災害に伴う税務の変更点などは、国税庁のホームページをご参照ください。
令和6年能登半島地震に関するお知らせ|国税庁 (nta.go.jp)
災害等にあった年の所得税・確定申告の取扱い
1 雑損控除、災害減免法
2 申告・納付の期限の延長 納税の猶予
3 住宅ローン控除(災害を受けた年以降の取扱い)
上記の3項目に分けて説明をしていきたいと思います。
1 雑損控除、災害減免法、2 申告・納付の期限の延長・納税の猶予についてはそれぞれの記事をご参照ください。
3 住宅ローン控除(災害を受けた年以降の取扱い)
住宅ローン控除は所得税額控除の一つで納付する所得税額から直接控除することができるものです。納税額に直接的な影響を及ぼすため有効活用していきましょう。
基本的な取り扱い
<適用条件>
(1) 控除を受ける年の所得等の金額が3000万円以下であること
(2) 取得した住宅を自己の居住の用に供すること
(3) 10年以上の住宅ローンで金融機関等からの借り入れであること
(4) 居住を継続していること
問題となるのは災害により住居に居住が継続できなくなってしまった場合です。
この場合には基本的に居住しなくなった年以降の年において住宅ローン控除を適用することはできません。しかし、災害により居住が継続できなくなったときにはこの控除を引き続き受けることができます。
しかし、次の場合には控除を受けることができないため注意が必要です。
<控除が受けられない場合>
・災害により居住が継続できなくなった家屋及び土地を事業の用・賃貸の用・親族等に無償での貸付の用に供した場合
・災害により居住が継続できなくなった土地等を譲渡し、居住用財産の譲渡損失の特例を使用する場合
・災害により居住が継続できなくなった者が新たに取得した家屋につき住宅ローン控除を受ける場合
※自然災害により10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村に所在する一定の者については新たに取得した家屋及び旧家屋の両方の合計額で控除することができます。
住宅ローン控除の申告
住宅ローン控除を適用するには初年度は必ず確定申告が必要です。年末調整の対象とならないため注意が必要です。先ほど説明したように申告期限は延長されますが確定申告をしなければ受けることができません。必ず確定申告をしましょう。
<初年度の必要書類>
・請負契約書、売買契約書等の契約書類
・敷地、家屋の登記事項証明書
・源泉徴収票
・年末残高証明書
・住民票
2年目以降につきましては年末調整の対象となります。下記書類を年末調整の際に会社に提出します。
<2年名以降の必要書類(給与所得者の場合)>
・年末調整のための住宅ローン控除等証明書
・残高証明書
所得税で控除しきれない分については住民税から控除できるため、適用する条件に該当する場合には1年目から住宅ローン控除を受けるようにしましょう。
災害等によりご心労が絶えないと思います。しかし立て直すのにも時間とお金がかかってきます。生活を少しでも楽にするために税制度有効活用してください。
ご不明な点等があればお気軽にコンパッソ税理士法人にご相談ください。