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公益法人 仕入税額控除の特例計算の方法

<公益法人等の寄付金収入等に係る仕入税額控除の取り扱いについて>

公益法人等は、普通法人に比べ特定収入が多くなります。
特定収入とは、会費や寄付金、補助金等、資産の譲渡等の対価以外の収入で、その全部又は一部が課税仕入れ等に充当される可能性があるものをいいます。

消費税法上「特定収入とは、課税仕入れの日の属する課税期間において資産の譲渡等の対価以外の収入から政令で定める収入を除いたものをいう」と規定されています。

消費税の仕入税額控除の計算においては、公益法人と普通法人では不合理が生じるため、公益法人の仕入税額控除には特例計算が設けられております。
ここではその特例計算についてご説明いたします。

□特例計算適用要件
・簡易課税制度を受けていない
・特定収入がある
・特定収入割合が5%を超えている

□計算方法
<個別対応方式の場合>
次の1から3までの金額の合計額
1,課税仕入れにのみ要する課税仕入れ等に使途が特定されている部分に係る特定収入の合計額×7.8/110
2,課税・非課税共通用の課税仕入れ等に使途が特定されている部分に係る特定収入の合計額×7.8/110×課税売上割合
3,課税仕入れ等の税額の合計額-①の金額-②の金額×調整割合

<一括比例配分方式の場合>
次の1の金額と2の金額の合計額
1,課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×(7.8/110)×課税売上割合
2,課税仕入れ等の税額の合計額-1の金額×調整割合
※調整割合=課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入/資産の譲渡等の対価の額 +課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入

□インボイス制度開始後
インボイス制度開始後において、仕入税額控除の対象外となる適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れ(以下「控除対象外仕入れ」といいます)を、課税仕入れ等に係る特定収入(課税仕入れ等に使途が特定されている特定収入)により支出したとしても、計算上仕入控除税額の制限の対象となります。

令和4年度税制改正において、事業者が課税仕入れ等に係る特定収入により控除対象外仕入れを一定程度行い※、当該特定収入により仕入控除税額の制限を受けた場合において、国等へ報告することとされている文書又は国、地方公共団体が合理的な方法により使途を明らかにした文書により、その控除対象外仕入れに係る支払対価の額の合計額を明らかにしているときは、簡易課税制度の適用を受けて申告する課税期間を除き、控除対象外仕入れに係る仕入控除税額の制限額に相当する額を、その明らかにした課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額に加算できることとされました。
※ 課税仕入れ等に係る特定収入により支出された課税仕入れのうち、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れが5%を超える場合に限ります。

・・・令和5年度の改正において・・・
法人が、大学、高等専門学校又は一定の専門学校を設置する学校法人又は準学校法人の設立を目的とする法人(以下「学校法人設立準備法人」という。)に対して支出する寄附金のうち、次のいずれにも該当するもので、その学校法人設立準備法人から財務大臣に対して届出があった日から令和10年3月31日までの間に支出されるものを、指定寄附金とする。

1,その学校法人又は準学校法人の設立前に、その設立に関する認可があることが確実であると認められる場合においてされる寄附金で、その設立のための費用に充てられるものであること。
2,募集要綱に、学校法人設立準備法人の設立後5年を超えない範囲内において募集要綱で定める日までに大学、高等専門学校又は一定の専門学校の設置に係る認可を受けなかった場合には、残額を国又は地方公共団体に寄附する旨の定めがあること。

学校法人の設置をお考えのかたは、特定収入が増えますのでご注意ください。

出展 国税庁HP
渋谷事務所
末廣 悦子

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