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寄附金を支出した場合の所得控除と税額控除の選択

個人が寄附金を支出した場合、所得税の確定申告を行うことにより、所得税および復興所得税が還付される場合があります。

寄附金における所得税における税制措置には、寄附金控除(所得控除)と寄附金特別控除(税額控除)があります。ふるさと納税に代表される国や地方公共団体に対する寄附金は、特定寄附金に該当するので、寄附金控除(所得控除)の対象となり、次の金額が総所得金額から控除されます。
特定寄附金の額の合計額-2000円
(注1)総所得金額の40%が限度となります

一方で、個人が政党等、又は認定NPO法人等、もしくは公益社団法人等に寄附をした場合には、寄附金特別控除(税額控除)を受けることができます。
政党等寄附金特別控除は所得税額の25%を限度(注2)として次の金額が所得税から直接控除されます。
(注2)政党等寄附金特別控除額は、所得税額の25%が限度額です。認定NPO法人等寄附金控除額、および公益社団法人等寄附金特別控除額は合計で、所得税額の25%が限度額です。

(税額控除の対象となる寄附金の合計額(注3)-2000円)×40%(注4)
(注3)総所得金額等の40%が限度
(注4)政党等寄附金特別控除の場合は30%

つまり、政党等、認定NPO法人等および公益社団法人等に寄附をした場合には、寄附金控除(所得控除)もしくは寄附金特別控除(税額控除)のいずれの控除を受けるか選択することになります。では、所得税ではどちらが有利でしょうか。

たとえば、認定NPO法人に寄附した場合、寄附金控除(所得控除)を選択すると、「(寄付額-2000円)×累進税率」が実際の減税額となります。一方で、寄附金特別控除(税額控除)を選択した場合には、「(寄附額-2000円)×40%」が減税額となります。
よって、適用される所得税の累進税率が40%より低い場合(課税所得金額1800万円以下の場合)は、一般的に税額控除を選択した方が有利になります。
なお、政党等に寄附をした場合には、上記40%が30%になるので、所得税の累進税率が30%より高い場合(課税所得金額900万円超の場合)には、所得控除を選択した方が有利となる場合が多いです。

なお、確定申告において所得控除あるいは税額控除を選択して申告した場合において、後日、選択したものを変更することはできませんので、留意ください。

出典:国税庁HP「寄附金を支出したとき」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm
川崎事務所 安木夕夏

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