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コンパッソ採用担当者が考える中途採用のいま

1.中途採用の現状

採用難易度を測る指標として「有効求人倍率」があります。
この指標は厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに毎月算出し、「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で公表しているものです。

算式は以下の通り。
有効求人倍率 = 有効求人数 ÷ 有効求職者数

この数値が「1.0倍」を超えると 1 人の求職者を複数社で取り合うという事で、高いほど採用が難しい市況と言われています。

労働人口の減少が進む日本では2014 年以降、求職者有利な中途採用市況が続いています。新型コロナウイルスの影響で、有効求人倍率は一時的に低下しましたが、それでも1.0 倍以上。2022 年は年間通じて右肩上がりとなり、コロナ禍以前(2019年)まで近づいてきました。

また、大手求人メディアの「求人掲載件数」の総数も1回目の緊急事態宣言が明けてからは増加し続けています。求人数が増えるということは、採用競争も激しくなり、採用難易度も相応に上昇しているということを意味します。さらにコロナ禍を通してテレワークや副業など求職者の希望する働き方が広がりました。人材獲得競争が激化する中、優良人材を獲得する為に、各社さまざまな対応が求められています。

多様な採用手法

中途採用にはさまざまな採用手法があります。
おおまかなコスト感、運営する手間も記載しましたので参考にしてみてください。

1 ヘッドハンティング(コスト⇒高、手間⇒低)
他社で経営者・役員・幹部として活躍している人材をエージェントにスカウトしてもらう手法。1人当たり1000万円前後のコスト。

2 採用代行(コスト⇒高、手間⇒低)
自社の社員に代わり、専門会社に採用業務を包括的に、または部分的に委託する手法。

3 人材紹介(コスト⇒高、手間⇒低)
 人材紹介会社に自社の希望人材をオーダーし、紹介を受ける手法。コストは成功報酬で、年収の35%が一般的であったが、採用難により上昇傾向。

4 転職イベント(コスト⇒中、手間⇒高)
 転職希望者を対象にした合同説明会で、自社が直接アピールして応募を促す手法。

5 ダイレクトリクルーティング(コスト⇒中、手間⇒高)
 人材会社の求職者データベースを閲覧し、自社が欲しいと思う応募者に直接アプローチする手法。

6 有料求人媒体(コスト⇒中、手間⇒中)
 転職サイトに自社の求人内容を掲載し、サイトに登録している求職者から応募を集める手法。

7 求人検索エンジン(コスト⇒中、手間⇒中)
『Indeed』や『Googleしごと検索』をはじめとする求人情報に特化した検索エンジンに自社のリクルートページや求人広告を掲載する。

8 オウンドメディアリクルーティング(コスト⇒低、手間⇒高)
 自社が運営しているホームページ・ブログなどを活用して自社の魅力を発信し、採用に結び付ける手法。

9 ソーシャルリクルーティング(コスト⇒低、手間⇒高)
 SNSを利用して自社の魅力を発信したり、転職顕在層とのやり取りを通じて採用する手法。

10 リファラル採用(コスト⇒低、手間⇒低)
 活躍してくれそうな人材を自社の社員から紹介してもらう手法。紹介してくれた社員に対して報奨金を支払うのが一般的。

11 ハローワーク(コスト⇒低、手間⇒低)
 各都道府県の労働局が運営するハローワークで、無料の求人掲載を利用する手法。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、エージェント等を介さず、求職者に対して企業が直接アプローチする採用手法の事です。中でも「BizReach(ビズリーチ)」、「リクルートダイレクトスカウト」が代表的とされる「スカウト型採用サービス」が多く使われています。

スカウト型採用サービスとは、自社サイトに会員登録している求職者の情報をデータベース化し、有料でそのデータベースの閲覧や求める求職者へ直接スカウトメールを送る事を可能にしたサービスです。

近年、募集広告を出しても応募者が来ないので、人材紹介やヘッドハンティングといった採用エージェントを利用する会社が増えましたが、「エージェントに任せていても応募が無い」という状況も発生しています。そこで注目されているのが、ダイレクトリクルーティングです。

ダイレクトリクルーティングには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
・転職サイトでは求人広告数が膨大で自社の求人を見られないリスクがあるが、ダイレクトリクルーティングだと、自社求める人材に高確率で見てもらえる。
・良い求人があった場合のみ転職を検討する「転職潜在層」にアプローチできる。
・自社の求める人材のみにアプローチできる為、不要な対応を減らせる。
・データベース利用料は発生するが、一定人数の採用が成功すれば人材紹介よりコストが少ない。
・自社で採用業務のPDCAを回す為、自社流の採用ノウハウが確立できる。

デメリット
・採用担当者の投下時間が大きい。ターゲットの選定、スカウトメールを各人別に作成、交渉のやり取り等。
・成果を出す為に採用担当者のノウハウが必要。
・採用できなればデータベース利用料等のコスト高ともなる。

少子高齢化・労働人口の減少により日本は人材の希少価値が高まり、企業の採用力が問われています。一方、AIやDXの発達により業務の省力化が進み、いかに業務のリストラクチャリングを行うかが経営のカギとなっていきそうです。

渋谷事務所
採用担当者

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