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2020年代の水先案内人は「厚底シューズタイプ」の新入社員たち

毎年、新入社員のタイプを時流になぞらえて表現

人事労務の分野を中心に調査研究を行う民間のシンクタンク「産労総合研究所」は、毎年新入社員のタイプを時流になぞらえながら表現していますが、2020年の新入社員は「結果が出せる?!厚底シューズタイプ」と発表しました。

陸上長距離界の革命的ツール「厚底シューズ」

厚底シューズとは底の厚い靴のことではありますが、近年は陸上競技の長距離選手向けに開発された高性能のシューズを指すことが多いです。

厚底シューズの特長は丈夫で軽いこと、それに加えてクッション性と反発力の両方を兼ねそろえている点で、足への衝撃を和らげつつ前に進む力が向上しています。

長距離選手が厚底シューズを履いて走ることによってスピードアップが実現し、これまでの記録は次々と塗り替えられました。つまり、厚底シューズは陸上長距離界に革命をもたらしたシューズといえるのです。

波瀾万丈の時代を生き、ITツールを使いこなす新世代

2020年の新入社員は1997年生まれとなりますが、生まれてから現在に至るまでは波瀾万丈の時代を過ごしてきたといえるでしょう。

生まれた年の1997年にはアジア通貨危機が発生したほか、北海道拓殖銀行や山一証券が破綻し、経済的な冷え込みが生じました。「就職氷河期」という言葉を目にするようになったのもこの頃からです。

小学生の高学年にあたる2008年にはリーマンショックが発生、中学生だった2011年には東日本大震災が発生します。大学生のときは2016年に熊本地震に見舞われ、2019年には各地に大きな被害をもたらした台風15号、台風19号を目の当たりにしました。

さらに、2020年3月には新型コロナウイルスの拡大により、大学の卒業式が中止となる前代未聞の事態を迎えることとなります。

その一方で、この世代は世界の4大IT企業「GAFA」の台頭により、IT化が進む時代を過ごしてきたことも特徴的といえます。それにともなってSNSの利用も日常化し、各種のSNSを使いこなしながら横のつながりを密にしてきました。

混沌の時代を革命的なツールを用いて渡り歩く世代

2020年の新入社員が今話題の「厚底シューズ」に例えられる理由は、陸上の長距離選手が革命的なツールの象徴である厚底シューズを使いこなすのと同様に、時代に革命をもたらしたIT関連のツールを使いこなしてきた世代だからです。

2020年に入ると新型コロナウイルスの感染が急速に広がり、世界的に多大な影響をもたらしています。感染拡大防止のために外出の自粛を余儀なくされており、観光業や宿泊業、飲食業などでは大幅な売上の減少に直面しました。

2020年代は2010年代までの常識が覆される可能性が大きいといえるでしょう。

これからの時代は、前例が通用しない混沌の時代といえますが、2020年の新入社員を表す「厚底シューズタイプ」の社員たちは、新しく生み出されたツールを賢く使いこなしながら、混沌といえるこれからの時代を、時にはもがきながらも必死に渡りきっていくのではないでしょうか。

さらに、2019年の新入社員のタイプは、多機能であることを表現した「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」、2018年の新入社員のタイプは、SNSを使いこなしながらのチームプレイを得意とする「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」でした。

AIスピーカーもSNSも、これからの時代を渡っていくには必要不可欠のツールです。

革命的なツールの象徴である「厚底シューズ」も含め、この数年間に入社した社員たちは新たなツールを使いこなしながら社会貢献を果たしていくことでしょう。

(画像は写真ACより)

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