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COVID-19】コロナ禍を生き抜くための資金繰り術part1

その1.マイルストーン~立ち位置を知る

新型コロナウィルスにより、健康被害に遭われた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。また、医療現場の最前線で治療に全力で立ち向かわれている医療従事者の皆様には心より感謝申し上げるとともに皆様の勇気に敬意を表したいと存じます。

さて、未曽有の新型コロナウィルス感染症により、健康被害だけではなく経済活動へも大きな被害が出ております。弊社のお客様でも、2~5月の売上がゼロになってしまった会社も少なくはありません。
「いつ非常事態宣言が解除されるのか」、「いつまで資金が持つのか」etc、明日が見えない毎日に不安を募らせている日々が続いていることかと存じます。しかしながら、ただ漠然と『何かに恐れている』だけでは、現状を見誤ることにつながります。

◆不安の正体を知って恐れを拭う方法

「恐れ」について、不安を拭い去ってくれた本の一節がありますのでご紹介いたします。
事務所に入社して数年経った頃、業務に対する不安から眠れない日が続いたことがありました。そんなある日、同業の大先輩が書いた一冊の本に巡り会いました。その本の一節には次の様な言葉が書かれていました。
「君は何を恐れているのだ?恐れの正体は一体何か?恐れるものなど何もないのだ。自分自身で勝手に恐れという幻影を生み出してそれに恐れているのだ。恐れとは自分自身の問題なのだ。」
つまり、自分自身で勝手に正体不明の「恐れ」を生み出して恐れていただけだったのです。

◆現状把握とは・・・?

以前担当していた会社の奥様との会話の中に『現状把握』のヒントは落ちていました。一生懸命私が損益計算書の話をしても全く興味を示していただけず、毎回「お金がいくら増えた?減った?」のお話しかして頂けません。少し乱暴な言い方ですが、中小企業にとって損益計算書の数字はどうでも良いのです。手元にお金がいくらあって、いくら入って・出て行くか、の方が重要なのです。
実は、税理士試験では「資金繰り」の問題は出てきません。意外と資金繰りが苦手な先生は少なくありません。もしかするとFP方がこの分野は得意なのかもしれません。大きい会社になると「CF計算書」を作成しますが、単純に期首と期末の差額計算をしているだけですので、「資金繰り」とは若干趣旨が異なります。

◆資金繰り表作成のススメ

自社の立ち位置を把握するには、まず何より「資金繰り表」を作成することをお薦めします。「何が」・「いつ」・「どんな形で」・「いくら入ってくるのか」、「何を」・「いつ」・「どうやって」・「いくら払うのか」を把握します。作成が大変であれば、先月を振り返ることから始めてみましょう。難しく考えることはありません。お小遣い帳をつける感覚で良いのです。その上で、これからどうするかをじっくり考えてみましょう。

次回以降は、私が実践している具体的な「資金繰り表」の作成方法についてご紹介します。

青葉事務所 
税理士 戸田盛通

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