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適切な労務管理に欠かせない「社員名簿」作成時のポイントを確認!

社員名簿の作成は、法律で義務化

社員名簿は、適切な労務管理を目的として作成されるもので、法律によって作成が義務づけられています。

社員名簿には、氏名や生年月日、年齢などが記載されますが、社員の個人情報が記載されていることから、その管理は厳重に行わなければなりません。

社員名簿とは?

社員名簿とは、社員一人一人の氏名、生年月日、住所や業務の種類など、全ての社員に関する情報をまとめた名簿のことです。

なお、社員名簿は、労働基準法では「労働者名簿」と記載されており、社員だけではなく、パートとアルバイトの情報も記載する必要があります。

労働者名簿は法定三帳簿の一つであり、労働基準法によって作成が義務づけられています。

法定三帳簿とは、労働者名簿のほか、従業員の労働時間や基本給、手当などの情報を記載した「賃金台帳」、従業員の出勤日と労働日数、出社時刻と退社時刻などが記載されている「出勤簿」があります。

労働者名簿を作成する目的は?

労働者名簿を作成する目的は、企業で働く従業員一人一人の管理を適切に行うためです。

労働者名簿を作成する目的について詳しくみていくために、労働者名簿に記載が義務づけられている内容を確認しておきましょう。

労働者名簿に記載される内容は、労働基準法代107条と労働基準法施行規則第53条に定められており、まとめると以下の通りとなります。

・氏名
・生年月日
・履歴
・性別
・住所
・従事する業務の種類
・雇入の年月日
・退職の年月日及びその事由(解雇の場合はその理由も含む)
・死亡の年月日及びその原因

参考:電子政府の総合窓口 e-Gov 
労働基準法
https://elaws.e-gov.go.jp/

労働基準法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/

上記の通り、労働者名簿にはさまざまな内容を記載する必要がありますが、従業員に関する情報が詳しく記載されていることで、適切な労務管理が実現します。

例えば、ある従業員が退職した後に、源泉徴収票を発行しなければならないとしましょう。

源泉徴収票を発行する場合には、氏名と住所を記載しなければなりませんが、労働者名簿にそれらが確実に記載されていれば、源泉徴収票をスムーズに発行することができます。

労務管理に関する業務が適切に行われるためにも、労働者名簿は確実に作成する必要があるのです。

労働者名簿を作成するときのポイントは?

労働者名簿を作成する場合のポイントとしては、エクセルなど、パソコンのシステムを活用できる点です。

労働者名簿に記載する内容は多いうえに、大勢の社員の情報を記載する必要があること、さらに記載内容に変更があった場合には修正も行う必要がありますが、エクセルを使用することで名簿の作成、修正作業が効率的に行えます。

ただし、パソコンで労働者名簿を作成する場合は、すぐに印刷できる状態にしておかなければなりません。

また、スムーズに労働者名簿を作成するためには、労働者名簿の雛形を参考にすると良いでしょう。

労働者名簿を作成する場合の注意点は?

労働者名簿の作成に関する注意点としては「内容に変更がある場合は速やかに修正すること」、「個人情報の管理を確実に行うこと」があげられます。

労働者名簿に記載されている内容を変更するタイミングとしては、引っ越しによって住所が変わった場合や、結婚や離婚によって名字が変わった場合など、家族構成に変化があったときなどがあります。

従業員に関する情報が変わっても、労働者名簿の内容が変わっていなければ、適切な労務管理が行われなくなるだけでなく、法律に基づいて罰則を受けることがあるので注意が必要です。

労働者名簿の内容を速やかに変更するためにも、従業員に対しては、「氏名や住所が変更になった場合は、速やかに上司に届けること」という内容を周知しておく必要があります。

そのほか、労働者名簿の管理を厳格に行うことも重要な項目です。労働者名簿には、氏名や生年月日、住所など、さまざまな個人情報が記載されているため、それらは確実に保護されなければなりません。

労働者名簿を紙の書類で保管する場合、あるいは電子媒体で保管する場合であっても、鍵がかかるロッカーに保管するなどして、盗難に遭わないようにしておく必要があります。

労働者名簿の作成や管理には手間がかかりますが、企業を適切に運営していくためには必要不可欠な名簿となります。法律に基づいた管理を行い、企業運営を円滑化していきましょう。

(画像は写真ACより)

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