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福利厚生の一環で支給する慶弔見舞金 福利厚生費に含める条件とは?

従業員の喜びや悲しみに対して支給する慶弔見舞金

人生においては結婚や出産などの喜ばしい出来事が起きたり、不意の病気やケガ、災害に見舞われたりするほか、不本意ながら亡くなってしまうこともあり得ます。

会社としては福利厚生の一環として、これらに対して慶弔見舞金を支給していますが、あらかじめ慶弔見舞金に関する規程を定めておくことで、支給がスムーズなものとなります。

慶弔見舞金とは?

慶弔見舞金とは、従業員とその家族にお祝いごとや不幸があった場合に会社が支給するものです。

お祝いごととして慶弔見舞金が支給される例としては、結婚した場合や本人または配偶者が出産した場合となります。

また、不幸があった場合に支給される例としては、本人が大きな病気やケガをしたり、または亡くなったりした場合や、火災や地震、洪水など大きな災害に見舞われた場合です。

慶弔見舞金を適切な形で支払うためには、社内で慶弔見舞金に関する規程を設けることが必要となります。

規程を設けることにより、どのような条件で慶弔見舞金を支払うかが明確になるほか、支払う金額を定めておくことによって、公平に慶弔見舞金を支払うことが可能となります。

そのほか、支給の対象を全ての従業員とするか、あるいは社員に限定するか、ということや、勤続年数によって支給額に差をつけるかどうか、ということなど、細かい内容についても規程で定めておきます。

従業員が慶弔見舞金を受け取る場合には、会社に対して届出を行うこと、そして、事実を確認できる書類を提出することが必要です。

慶弔見舞金の相場は?

規程にて慶弔見舞金を定める場合には、相場を把握しておくことが大切です。慶弔見舞金の相場についてその目安を紹介します。

結婚祝い金

多くの場合は3万円程度が支給されますが、勤続年数が1年未満などで短い場合は支給額が1万円程度となる場合があります。また、会社によっては再婚した場合の支給額を通常の半額程度に抑える場合もあります。

出産祝い金

出産祝い金の相場は1万円から3万円程度です。第一子、第二子以降ともに同額を支給する会社もある一方、第二子以降の出産祝い金は第一子の場合と比べて減額、または支給を行わない場合があります。

弔慰金

弔慰金は本人が亡くなった場合と家族が亡くなった場合で支給額が異なるほか、本人の場合であっても業務中か業務以外かで支給額が異なります。

弔慰金の支給額の相場は5万円から10万円程度となります。業務が原因で死亡した場合は支給額が高くなり、業務外で死亡した場合は支給額が若干抑えられます。また、役職や勤続年数によって支給額が変わる場合があります。

家族に対して支払われる場合の相場は1万円から5万円程度です。多くの場合、配偶者が死亡した場合は多めに支給され、子どもや親が亡くなった場合は配偶者と比べるとやや低めとなります。

傷病見舞金

弔慰金と同様、業務が原因で生じた傷病か、あるいは業務以外の原因による傷病かによって支給額が変わります。業務が原因で生じた傷病の見舞金の相場は3万円程度、業務以外の原因によるものは1万円程度となります。

災害見舞金

災害見舞金は被災した程度によって支給額が異なります。相場は2万円から10万円程度です。住宅の被災状況が全壊、または全焼の場合は満額が支給され、半壊や半焼、一部損壊の場合は2万円から5万円程度が支給されます。

高額な支給を行った場合、給与とみなされる場合も

慶弔見舞金は相場の範囲内で支給されることが一般的ではありますが、支給額が相場から大きくかけ離れるほど高額である場合は、税務上は慶弔見舞金とはみなされず、給与を支払ったとみなされる場合があります。

その場合、従業員に対して慶弔見舞金という形で支払っていたとしても、税務上では従業員が給与を受け取った形となるため、従業員は所得税を納めなければなりません。

また、役員に高額な慶弔見舞金を支払った場合は、税務上では役員賞与とみなされます。役員賞与を自由に増減できると利益を自由に調整できることにつながるため、役員賞与の額は事前に定めておくことが基本です。

そのため、突発的なタイミングで役員賞与を支払うことは原則として認められていません。

支払った分の役員賞与には法人税が課税されるうえに、役員は賞与として受け取っていることから所得税を納めなければならず、二重課税の形となってしまうので注意が必要です。

慶弔見舞金は、従業員のお祝いごとや不幸に対して会社が気持ちを示すものです。そのため、相場に応じた金額を設定しておくことがポイントとなります。

(画像は写真ACより)

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