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企業内保育所を設置するメリットやデメリットは?

子供の人数に対して保育園の数が足りないことが問題となっています。厚生労働省が2020年9月に公表した「保育所等関連状況とりまとめ」によると、2020年4月時点で待機児童の数は1万2439人であることが明らかになっています。

このような状況の中で、企業が社内に保育所を設けて社員の子供を預かる「企業内保育所」が注目されています。今回は企業内保育所の詳細や、企業や利用者にとってのメリット・デメリットについてご紹介します。

企業内保育所とは

企業内保育所とは、企業が社員の子供を預かるために開設した保育施設のことです。厚生労働省が2019年3月にとりまとめた「認可外保育施設の現況」によると、企業内保育所は、全国に7132カ所あることが明らかになっています。企業内保育所には「事業所内保育所」と「企業主導型保育所」の2種類があります。

まず「事業所内保育所」は、2歳までの子供を預かる事業所内の保育所です。市区町村の認可が必要で、定員の4分の1は地域枠として解放しなくてはなりません。

次に「企業主導型保育所」ですが、これは企業と社員が直接契約を行う無認可の保育所を指します。年齢制限がなく、地域枠を設ける必要もないため、自由で柔軟な保育が可能となります。

企業内保育所を利用する際のメリット

保育所探しの手間が省ける
企業内保育所に入園を決めれば、保育所探しの手間を省くことができます。企業の就業形態に合わせて運営されているほか、希望すれば入れる確率が高いからです。

緊急時すぐ駆けつけられる
小さな子供は体調を崩しやすいため、勤務中子供のことが気になり、仕事に集中できない人も多いのではないでしょうか。
企業内保育所は、子供がケガをしたり、熱を出したりした際、すぐに迎えにいけるため、安心して仕事に取り組むことができます。

また保育所と企業が連携しているため、仕事を早退して家で看病したり、病院に連れて行ったりするまでの流れがスムーズなのも魅力です。

企業内保育所を利用する際のデメリット

一緒に通勤しなくてはならない
通勤手段が電車やバスの場合、子供が周りの人に迷惑をかけたり、人に押されてケガを負ったりする危険があります。このような事態を防ぐには、ラッシュ前の便で通勤したり、通勤手段を車に切り替えたりするといった工夫が必要です。

休暇中は利用できない
企業内保育所は勤務日以外の利用が不可能な場所がほとんどです。そのため休暇中に育児に追われ、疲弊してしまう可能性があります。

企業が保育所を設けるメリット

離職する人を減らせる
保育所が見つからないことが理由でやむを得ず仕事を辞める人が減るため、離職率の低下につながります。また企業内保育所に年齢制限がない場合は、子供を産んだ社員の早期復帰も可能となります。

企業のイメージアップにつながる
企業内保育所を設ければ「仕事と育児を両立しやすい企業」というイメージが定着するため、企業のイメージアップにつながります。中には、企業内保育所がある企業に入社したいと考える人もいるため、人手不足解消や優秀な人材確保も望めます。

企業が保育所を設けるデメリット

企業内保育所のデメリットとして、運営に多額の費用がかかることがあげられます。しかし企業が以下の条件を満たしていれば、国から助成金を受け取ることができます。

・子供のいる社員に育児休業取得や、育児短時間勤務などを勧めている
・雇用保険適用事業所
・次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の作成や公表を行っている

まとめ

企業内保育所とは、企業が社員の子供を預かるために設置した保育所のことを指します。会社の敷地内や近隣に設置されるため、社員は安心して子供を預けられます。

企業内保育所のデメリットとして、休暇中子供を預けられないことや、満員電車に子供を乗せなくてはならないことがあげられます。社員が安心して子育てと仕事を両立できる環境を整えるためには、これらのデメリットをいかに解決するかが重要となります。

(画像はPixabayより)

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