メディカルビジネスレポート’26/10月号
BCP(事業継続計画)とは、地震や水害、停電、サイバー攻撃などが発生した場合でも、重要な診療業務をできる限り継続し、中断した場合には早期に復旧するための計画です。作成にあたっては、主に次のポイントを押さえておきましょう。
(1)自院で想定されるリスクを洗い出す
まず、地震、台風、水害などの自然災害等により、自院で起こり得るリスクを洗い出します。その際には、災害の種類だけでなく、「ライフライン」や「人・物・金・情報」にどのような影響が生じ、診療の継続にどのような支障が出るかを具体的にイメージすることが大切です。
【図表】災害等によってクリニックに想定される主な影響(例)

(2)指揮命令系統を明確にする
院長自身が被災したり不在となったりする場合も想定し、「誰が指揮を執るのか」をあらかじめ決めておきます。
(3)優先して継続する業務を決める
災害時には通常どおりの診療ができるとは限りません。治療を中断すると影響の大きい患者への対応、必要な処方、診療記録の作成など、「何を優先して継続するか」を決めておくことが重要です。自院で対応できない場合に備え、近隣医療機関等への診療依頼や情報提供についても検討します。
(4)「使えない場合」の代替策を決める
停電したらどうするか、電話やインターネットが使えなければどうするか、電子カルテが停止したらどうするか、といった状況別の対応を具体化します。例えば電子カルテが利用できない場合に備え、紙カルテによる運用方法や必要な書類を準備しておくことなどが考えられます。
(5)作成後は職員で共有し、定期的に見直す
BCPは作成して終わりではありません。職員に内容を共有し、定期的に確認や訓練を行い、職員の入れ替わりや設備、地域の状況などに応じて見直すことが大切です。
令和8年度診療報酬改定では、機能強化加算や在宅療養支援診療所等の施設基準に、BCP(業務継続計画)の策定と定期的な見直しが追加されました。厚生労働省や日本医師会の資料等を参考にし、自院の立地、建物、診療規模や診療内容等の実情に応じて作成しましょう。
参考資料:「業務継続計画(BCP)」(外来診療のみを実施する医療機関向けの記載例)(日本医師会)
「医療機関(災害拠点病院以外)における災害対応のためのBCP作成指針」(厚生労働省)
「BCP策定の手引き 在宅医療を提供する診療所編」(厚生労働省)
その他の項目……
2 クリニックの損益分岐点 【その1】変動費と固定費とは
3 令和8年の年末調整のポイント ~見込み年収額の記載に注意~
【コラム】 心理的に安全な職場環境とは
4 「攻めの予防医療」について
5 行政書士法が改正 ~許認可申請などを外部に依頼する際はご注意を~
「メディカルビジネスレポート」は、月に1回医業経営に役立つ税務情報などをお送りするメールマガジンです。
配信をご希望の場合は、下記よりメールアドレスのご登録をお願いします。
過去の配信アーカイブもご覧いただけます。
