電帳法改正 2024年以降も紙保存が可能?
電帳法とは
電帳法は、電子帳簿保存法の略称で、法律上保存が義務付けられている帳簿や領収書、請求書、決算書などを紙ではなくデータで保存することを認める法律です。
紙での保存が義務付けられていた国税関係書類の、保管業務効率化を目的に1998年に施行されました。
制度は以下3つに区分されています。
電子帳簿保存(会計ソフトなどで作成した帳簿の保存)
スキャナ保存(紙で受け取った領収書などを、スキャンによってデータ化して保存)
電子取引データ保存(メールやダウンロードした請求書、領収書などをデータのまま保存)
1と2については希望者のみですが、3については全ての法人、個人が対応しなければなりません。
電子取引データの2023年改正の内容
電子取引データ保存の宥恕(ゆうじょ)措置が、2023年末で終了することが決定しました。
メールやダウンロードで取得した請求書や領収書は、原則として電子データのまま保存する必要があります。
しかし、単に電子データを保存するだけでは不十分です。電子データを保存する際に必要な要件を満たさなければなりません。
保存要件は以下の通りです。
改ざん防止のための措置をとること
「日付・金額・取引先」で検索できること
ディスプレイやプリンタを備え付けること
2023年12月31日までは、やむを得ない理由によって上記の要件を満たせないときは、電子データを印刷した紙での保存が認められています。この措置が宥恕措置です。
この宥恕措置が2023年末で終了し、新たに猶予措置が制定されました。
2024年以降も紙保存可能
2023年の改正で新たに制定された猶予措置では、以下の要件を満たしていれば単にデータを保存しておくだけでよいとされました。つまり、保存に必要な3つの要件が不要になるということです。
保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署⻑が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要です。)
税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合
猶予措置が制定されたことで、2024年以降もプリントアウトした紙データの保存が可能となりました。
宥恕措置では「ダウンロードの求め」に応じる必要はありませんでしたが、猶予措置では「ダウンロードの求め」に応じることが要件となっています。
まとめ
2024年以降も、メールで受け取ったりダウンロードしたりした領収書や請求書を、プリントアウトして紙で保存できます。
紙の書類は、これまで通り保存期間に応じた管理が必要です。
とはいえ、データ保存の必要性は今後ますます高まっていきます。猶予措置も現在は期限の定めはありませんが、将来についてはわかりません。
将来を見据えて、徐々に電子データ保存に対応していくことをおすすめします。
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