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初めてでも大丈夫!年末調整の正しい流れを知って、業務をスムーズに行おう!

年末調整の正しい流れを知ろう!

ほとんどの会社で、1年に1回必ずやらなければいけない業務が年末調整です。チェックしなければいけない申告書や、作成が必要な書類が数多くあるため業務が煩雑になりがちです。

今回は、多くの労務担当者や総務担当者が負担に感じている年末調整の流れを分かりやすく整理します。正しい流れを知って、業務の効率化を目指しましょう。

労働者が申告書を作成・提出

年末調整は、社員の給与から源泉徴収した所得税と、本来徴収すべき所得税の金額を調整し、納税額を確定させる業務のことを言います。そのため、正規雇用労働者だけでなく、パートやアルバイトなど、給与を支払っている全ての労働者が対象になります。

年末調整は、まずは労働者に必要な申告書を作成してもらうことからスタートします。

全ての労働者が必ず提出しなければいけない書類は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。これは、配偶者控除や扶養控除などを受けるために必要になります。配偶者や扶養親族などがいない場合でも、いないということを必ず申告しなければいけません。配偶者控除を受ける場合は「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出も必要となるので注意しましょう。

生命保険や地震保険などの保険料を支払っている人は、「給与所得者の保険料控除申告書」を作成することで、所得控除を受けられます。この際、保険会社等から発行される控除証明書類の添付が必要になります。

尚、保険料は、2012年の税制改正前であるか否かによって、適用制度の基準が変わります。旧制度が適用される保険料は「旧保険料」の欄に、新制度が適用される保険料は「新保険料」の欄に記入する必要があります。保険料の新・旧については、控除証明書類にて確認することができます。

また、確定拠出年金(iDeCo)など給与から源泉徴収していない掛け金がある場合も、申告することで所得控除を受けることが可能です。

労務担当者や総務担当者などは、労働者から提出された申告書に誤りがないかチェックし、訂正が必要な場合は早めに対応しましょう。申告書のチェック及び訂正は、毎年11月下旬までに完了しておくことが推奨されます。

年末調整の計算

労働者からの申告書のチェックが終わったら、年末調整の計算を行います。尚、給与システムを導入している場合は自動で計算されるため、この計算作業は不要になります。

年末調整の計算は「給与所得控除後の金額の計算」「各種所得控除の合計額の計算」「課税対象となる給与所得金額の計算」「算出所得税額の計算」「住宅借入金等特別控除額の計算」「年調年税額の計算」の順で進めます。

「年調年税額」を算出後、源泉徴収した税額の総額が「年調年税額」がよりも多ければ差額を還付金として支給し、少なければ差額を徴収します。

年末調整の計算では、計算式を埋め込んだ「源泉徴収簿」をエクセルなどで作成しておくと便利です。「源泉徴収簿」で、労働者1人1人の給与額や源泉徴収税額、扶養親族の有無などを管理しておくことで、効率的に業務を行うことができます。

計算が終わったら、各労働者の源泉徴収票を作成します。源泉徴収票の様式と記載要領は国税庁のホームページにて公開されているので、そちらを参照してください。

法定調書の作成と提出

社内での作業が終わったら、税務署と市区町村に法定調書を提出します。

税務署には「支払調書」「法定調書合計表」「源泉徴収票」の3種類を、年末調整を行った翌年の1月31日までに提出する必要があります。

支払調書」は、会社が「誰に」「どのような目的で」「いくら支払ったか」を明記した書類で、会社のロゴデザインをデザイナーに依頼した場合や、税務処理を税理士に依頼している場合などに作成します。

法定調書合計表」は、「給与所得の源泉徴収票」や「退職所得の源泉徴収票」など、税務署に提出が必要な法定調書をとりまとめて作成するものです。「源泉徴収票」は、12月に労働者に渡したものと同じ内容のものを提出します。

市区町村には、「給与支払報告書」を提出します。この内容によって、各労働者の住民税額が決定します。「給与支払報告書」は年末調整行った翌年の1月31日までに提出しましょう。

まとめ

年末調整の手続きに必要な書類は多岐にわたります。いずれも各労働者の税額を確定するための大切な書類です。内容をしっかり理解し、正しく申告するようにしましょう。

年末調整業務は対象となる年の11月頃から翌年の1月31日までの期間に全ての業務を完了させなければいけません。流れをしっかり理解したうえで、計画的に取り組むことが推奨されます。

(画像はphoto ACより)

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