2026年10月に「ビール」「発泡酒」「第3のビール」酒税統一
2020年10月1日、酒税が改正され、ビールに係る酒税が引き下げになりました。ビールの酒税は350ml缶で77円だったのが、7円減額され、70円になりました。発泡酒は46.99円で据え置き。第3のビールは350ml缶で28円だったのが、9.8円増額され、37.8円となっております。
<ビール系飲料350ml缶ベースでの酒税の変更比較>
改正前 | 増減額 | 改正後 | |
---|---|---|---|
ビール | 77円 | -7円 | 70円 |
発泡酒 | 46.99円 | ±0円 | 46.99円 |
第3のビール | 28円 | +9.8円 | 37.8円 |
コロナ禍で宅飲みが増え、家計にやさしい第3のビールは売上本数を伸ばしており、改正前の9月末には駆け込み需要のまとめ買いが凄まじかったようです。
この改正は主に「原材料や製造方法は違うものの、似た商品がなぜここまで税率が違うのか?」という疑問が解消し、公平性を保つため進められました。
今後も、3年ごとに酒税の税率は見直され、2026年10月には「ビール」「発泡酒」「第3のビール」の酒税は350ml缶ベースで全て54.25円に統一されるとのことです。
この流れは、単純にビールの需要が増えるような気もしますが、今後の企業の販売戦略も大きく変わってくるものと予想され、消費者のビール系飲料に対する価値観にも大きな影響を与えるものになりそうです。
また公平な見地からの酒税改正は、他の酒類にも及び、税率がこれまで少し高めと言われていた日本酒は引下げに、少し低めと言われていたワインは引上げになっています。
改正前 | 増減額 | 改正後 | |
---|---|---|---|
日本酒 | 86.4円 | -7.2円 | 79.2円(720ml瓶ベース) |
ワイン | 60円 | +7.5円 | 67.5円(750mlフルボトルベース) |
税の改正が、企業の販売戦略や商品価格に反映され、消費者の生活、価値観に影響を及ぼすことは避けられません。低価格だったアルコール飲料が増税され、価格変化が在った結果、納税者側の公平性はどうなっているのか注目されるところです。
参照:<国税庁HP><https://www.nta.go.jp/taxes/sake/annai/temochihin_r02.htm>
横浜青葉事務所 菊池 潤