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交際費と寄付金の区分について

会社の事業遂行上、交際費や寄付金を支出することは必要なことです。どちらも、第三者に経済的な利益を与えるということでは変わりませんが、しかしどちらに該当するかで、税務上の扱いは大きく変わります。

⒈税務上の取扱いの違い
⑴ 法人税

交際費は、原則として全額が損金不算入(経費にならない)となっていますが、中小企業については年間800万円まで等、一部損金算入が認められています。
寄付金も、原則損金不算入で、一部損金算入可能なのは同じですが、損金算入限度額は交際費と比べるとかなり限られます。一般の個人や法人に対する寄付金は、ごく僅かな金額しか損金算入できません。例えば、赤字法人の場合、損金算入限度額は資本金等の額の0.0625%です。

⑵ 消費税

交際費は、商品券などの非課税商品を贈答する場合などを除き、通常は課税仕入となり、仕入税額控除の対象になります。
寄付金は、消費税法上課税仕入とならず、仕入税額控除の適用もありません。

⒉ 交際費と寄付金の判断基準

このように交際費のほうが税務上有利ですが、交際費として処理した費用を税務調査で否認されて寄付金とみなされると、多額の修正申告を迫られるというリスクがあります。そのため、交際費と寄付金の区別は正確にすることが必要です。
交際費とは、法人がその取引先など事業に関係のあるものに対して、接待、供応、慰安、贈答などを行うために支出するものをいいます。
寄附金とは、法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与などのために支出するものをいいます。

基本的には、
a事業に関係がある相手方に対して、受注などの見返りを期待して行うものは交際費
b相手方が事業に無関係である場合、または関係があっても見返りを期待せずに行うものは寄付金とみなされます。

例えば、税務上の貸倒れの要件を満たさないのに、取引先への債権を放棄すると、寄付金として扱われてしまいます。また、政治家の主催するパーティ券の購入も、多くの場合寄付金として扱われますが、パーティへの出席が目的というより、政治資金の寄付という性格が強いためです。

今回は交際費と寄付金を例にしてご説明しましたが、税法の実務上の判断は、判断が難しいことが多いものです。お気軽にコンパッソ税理士法人ご相談ください。

コンパッソ税理士法人
渋谷事務所 柳下稔人

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