法人が美術品を購入したときの税務上の取扱い
新型コロナで経済・文化活動も人々の交流も一斉にストップし、おうち時間が増えていく中で、絵画アート販売の需要が急速に高まりました。コロナ禍で気分が滅入りがちな時期に、アートの「人を元気づける力」が従来に増して社会から求められていることが再確認されたことと思います。
今回は法人が美術品を購入した際の税務上の取扱いについて、説明いたします。
【改正前】
美術関係の年鑑等に記載されている制作に係る作品であるか、取得価額が1点20万円 資本金1億円以下の会社は1点30万円(絵画にあっては号あたり2万円)以上であるかにより、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかを判定。
【改正後】
取得価額が1点100万円未満である美術品等は原則として減価償却資産に該当し、取得価額が1点100万円以上の美術品等は原則として非減価償却資産に該当するものとして取り扱う。
なお、所得価額が1点100万円以上の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」に該当する場合は、減価償却資産として取り扱うことが可能です。
【取得価額が1点100万円以上である美術品等】
「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」として減価償却資産に該当するものとしては、例えば次に掲げる事項の全てを満たす美術品が挙げられます。
・会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること
・移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであること
・他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や仕様状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものであること
※この例示に該当しない美術品等が「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」に該当するかどうかの判定は、その美術品等の実態を踏まえて判断することになりますので注意が必要です。
何かお困りなことがございましたら、コンパッソ税理士法人までご連絡ください。
出典:国税庁
美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/bijutsuhin_FAQ/index.htm#q1
法人税法基本通達7-1-1 美術品等についての減価償却資産の判定
渋谷事務所
松井 雄哉