確定申告の傾向~電子申告がさらに身近に~
令和元年が終わり、確定申告の時期となりました。
確定申告をされるご予定のかたはたくさんいらっしゃると思いますが、平成最後であった昨年の確定申告はどのような状況だったのでしょうか。国税庁からは次のように発表されています。
●所得税の確定申告書の提出状況
所得税等の確定申告書の提出人員は、平成27年分から毎年増加しており、平成30年分は2,222万人で、平成29年分から24万1千人増加しました。
●納税人員の状況
確定申告書の提出人員のうち、申告納税額がある方は638万4千人で、申告納税額は3兆2,826億円となっており、平成29年分と比較すると、人数は減少し申告納税額は増加しました。
●所得者区分別の納税人員の状況
・事業所得者
納税人員は168万人で、その申告納税額は6,167億円となっており、平成29年分と比較すると、いずれも減少しました。
・事業所得者以外(サラリーマンなど)
納税人員は470万4千人で、その申告納税額は2兆6,659億円となっており、平成29年分と比較すると、人数は減少し申告納税額は増加しました。
上記の内容から、平成30年分の所得税等の確定申告は、前年分と比較すると申告書の提出人員が増えており、理由は還付申告もしくは申告納税額のない申告が増えたためであることがわかります。医療費控除を適用した申告件数が10万4千件、寄附金控除を適用した申告件数が48万1千件増加しているそうで、確定申告が所得者に浸透してきていることがうかがえます。
また、平成30年分確定申告から国税庁HPにある確定申告書等作成コーナーに新たな機能が追加され、またスマホ申告も可能となりました。その影響はどうだったのでしょうか。
●自宅等でのe-Tax利用状況
自宅等でのe-Tax利用による所得税等の申告書の提出人員は542万5千人で、平成29年分から78万7千人増加しました。
●スマホ申告
平成30年分所得税等の確定申告では、36万6千人の方がスマートフォン等で申告書を作成・提出しました。
このように、自宅等でe-Taxを利用者される方が急速に増えているようです。
そして更に令和元年分の確定申告では、スマホ申告が更に便利になるとのこと。
●スマホ専用画面が利用できる方の拡大
これまでは給与1か所で年末調整済みの方が医療費控除やふるさと納税などの寄附金控除を受ける場合しかスマホ申告ができませんでしたが、令和2年1月からは、給与が複数ある方や、公的年金などの雑所得がある方もスマホ専用画面を利用して所得税等の確定申告書が作成できるようになります。
●スマホを利用したマイナンバーカード方式によるe-Taxの実現
スマホを利用して所得税等の確定申告書を作成する場合、マイナンバーカード読み取り対応のスマホを利用して、申告書をe-Taxで送信することができるようになります。
確定申告、そしてe-Taxはどんどん身近なものになってきています。
確定申告が必要かどうか昨年を振り返っていただき、申告される方は是非e-Taxにも挑戦してみてくださいね。
参照:国税庁HP:
e-Tax利用の簡便化: https://www.e-tax.nta.go.jp/kanbenka/index.htm
スマートフォン利用による確定申告:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/smart_shinkoku/index.htm
川崎事務所 業務部 山下美穂