社会福祉法人の帳票書類の電子帳簿化について
社会福祉法人には小口現金出納帳や現金出納帳などのたくさんの帳票書類があり、その出力や保管場所にお困りの法人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は社会福祉法人の帳票書類の電子帳簿化についてご紹介致します。
電子帳簿化とは会計帳簿など類を紙媒体ではなく、電子データ化する事です。
帳票書類を電子帳簿化するには経理規定の変更が必要となります。
以下に変更箇所と変更内容を記載しますのでご参照ください。
<記載例>
①(会計年度及び計算関係書類及び財産目録)
第4条 当法人の会計年度は毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
2 毎会計年度終了後3か月以内に下記計算書類及び第3項に定める附属明細書(以下「計算関係書類」という。)並びに財産目録を作成しなければならない。
3 附属明細書として作成する書類は下記とする。
4 第2項に定める計算関係書類及び財産目録は、消費税及び地方消費税の税込金額を記載する。
5 会計帳簿は電磁的記録をもって作成することができる。
②(会計帳簿)
第12条 会計帳簿は、次のとおりとする。
(1)主要簿
ア 仕訳日記帳
イ 総勘定元帳
(2)補助簿
ア 現金出納帳
イ 未収金台帳
ウ 銀行勘定帳
2 前項に定める会計帳簿は拠点区分ごとに作成し、備え置くものとする。
3 各勘定科目の内容又は残高の内訳を明らかにする必要がある勘定科目については、補助簿を備えなければならない。
4 会計責任者は、補助簿の記録が総勘定元帳の記録と一致していることを適宜確認し、主要簿及び補助簿の正確な記録の維持に努めなければならない。
5 会計帳簿は電磁的記録をもって作成することができる。
以上のように①会計年度及び計算関係書類及び財産目録・②会計帳簿の箇所に「会計帳簿は電磁的記録をもって作成することができる。」旨の一文を入れておくと電子帳簿により作成することができます。
また社会福祉法人の会計帳簿の保存期間は以下の通りとなります。
第14条 会計に関する書類の保存期間は次のとおりとする。 | |
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(1)第4条第2項に規定する計算関係書類 | 10年 |
(2)第4条第2項に規定する財産目録 | 5年 |
(3)第12条第1項(1)、(2)及び(3)に規定する主要簿、補助簿及びその他の帳簿 | 10年 |
(4)証憑書類 | 10年 |
保存期間が10年!!なんとも長い期間保存をしなければなりません。
保存場所に10年もおいておくとホコリを被ってしまい、触るのもイヤだなぁ~とか前任者が10年以上も前の資料を破棄しないで置いておくこともあると聞きます。
しかし、電子帳簿にするとにより保管場所がいらなくなり、廃棄処分費もかかりません。
また指導監査時も紙ではなく電子帳簿にて監査を受ける事が可能となります。
この機会に会計ソフトの見直しをし、経理業務の効率化を図るようにしてみてはいかがでしょうか。
横浜青葉事務所 小宮 順