慰労金の支給対象外となっている方に支給した場合の処理
介護・障害事業の職員に対する慰労金について
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の1つとして令和2年6月30日までの間を対象とした申請が既に始まっています。
この慰労金に関しては厚労省の案内通り、所得税法の非課税規定に基づくことが明記されており、対象事業であれば、給与所得に含めず支給することになります。
*実務的には給与支給時に合算して支給とし、支給項目設定を所得税非課税・社保対象外とするのがおすすめです。
今回、留意して頂きたいポイントとしては慰労金の支給対象外となっている方、若しくは対象外となってしまった職員へ支給した場合の取扱いを考えたいと思います。
答えとしては慶弔規定の整備で対応することです。
国税庁は新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係として発表しており、問9-3に記載されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm
一部を抜粋すると
〇 新型コロナウイルス感染症に関連して従業員等が事業者から支給を受ける見舞金が、次の3つの条件を満たす場合には、所得税法上、非課税所得に該当します(所得税法9条1項17号)
① その見舞金が心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるものであること
② その見舞金の支給額が社会通念上相当であること
③ その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと
(注) 緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給の決定がされたものについ ては、非課税所得とされる見舞金に該当しない場合があることに留意する。
*支給時期によっては課税と判定される場合があるようです。
① の状況としては、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが高い業務として、心身の負担が通常時とは違うことと考えます。
② の社会通念上とは見舞金の額を規定内で明らかにし、感染の可能性や事実などに応じた金額設定を講じることになります。
③ については「職員一律支給」「特定の職員だけ」「給与の額に応じて」とすると非課税として取り扱えません。
コロナ禍での介護・障害事業の職員にかかる負担は大変なものです。従事されている方への見舞金ですので給与所得に課税されない様、慶弔規定の整備を確認しましょう。
参考
・厚生労働省 「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」について
・国税庁 新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金の所得税の取扱いについて(法令解釈通達)
横浜青葉事務所
小林 竜雅