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安全な職場で働きやすい環境を維持しよう!安全配慮義務の内容とは?

働きやすい環境を維持することが経営者としての務め

企業運営を日々とどこおりなく行えるのは、従業員の努力があってこそといえますが、従業員が能力を十分に発揮するためには、経営者が率先して安全に働ける環境を提供し、維持していく必要があります。

従業員にとって働きやすい企業であり続けるためにも、経営者は安全配慮義務の内容について理解しておきましょう。

安全配慮義務とは?

安全配慮義務とは、従業員が安全に働くことができるよう、経営者が配慮して安全を確保する義務のことです。

なお、安全配慮義務に関する内容は、労働契約法第5条において以下のように定められています。

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
(引用:電子政府の総合窓口 e-Gov 労働契約法)

安全配慮義務の特徴は、企業と従業員が労働契約を締結した場合、企業の労働契約において安全の配慮に関する記載がないとしても、労働契約を締結した時点で、企業側が従業員に対して安全を配慮する義務が生じるというものです。

つまり、企業は従業員を雇用した時点で、従業員が業務を行ううえでの安全性を確保しなければなりません。

また、法律の条文には、「生命、身体等の安全を確保」という文言がありますが、身体等の安全には、心身の健康も含まれています。

心身の健康を保つ「健康診断」と「ストレスチェック」

安全配慮義務に関連して企業が行うべきこととして、「健康診断」と「ストレスチェック」があります。これらの診断は、安全衛生管理の考え方に基づいています。

健康診断は、労働安全衛生法において義務づけられており、従業員が心身ともに健康な状態で業務を行うことを目的として行われます。

健康診断を実施するメリットは、従業員自身に自覚症状がない状態であったとしても、病気を発見できる場合がある点です。

まれに、従業員が業務中に突発的な症状に見舞われて、業務ができない状態になってしまうことがありますが、健康診断を受けた時点で病気を発見することができれば、早期治療によって早い段階で病気を治すことが可能となり、業務に支障が出る状況を防げます。

そのほか、2015年からは従業員数50人以上の事業場を対象として「ストレスチェック」の実施が義務づけられています。

経営者は、従業員の身体の安全を確保する義務がありますが、身体の安全という内容には心身の健康も含まれることから、ストレスチェックを実施して、心身を良好な状態に保つことが求められます。

長時間労働やパワハラ防止も安全配慮義務に該当

安全配慮義務といえば、業務中のケガや体調不良を防ぐことに重点がおかれやすくなりますが、長時間労働やパワハラを防ぐことも安全配慮義務に含まれます。

なぜなら、従業員が長時間労働を行ったりパワハラを受けたりすることによって業務に対するモチベーションが下がり、業務の効率性が低下しやすくなるためです。

長時間労働に関しては、働き方改革関連法案の施行により、時間外労働は原則として月45時間、年360時間が上限と定められました。2019年4月からは大企業において導入されましたが、2020年からは中小企業においても導入されます。

そのほか、働き方改革の一環として、厚生労働省はパワハラ防止対策にも取り組んでいます。

長時間労働とパワハラを防ぐ動きは広がりつつありますが、経営者自身がこれらの問題の発生を防ぐ努力をすることも、安全配慮義務に取り組む活動の一環といえるでしょう。

経営者としては、従業員の立場を常に考え、安全に配慮して働きやすい環境を維持することが求められます。

(画像は写真ACより)

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