印紙税の納税義務者

印紙税の課否判断のプロセスをシリーズでご紹介しています。

第1回「印紙税の文書」

第2回「印紙税の契約書」

第3回「印紙税の所属の決定」

第4回「印紙税の記載金額」

第5回「印紙税の非課税文書」

第6回「印紙税の納税義務者」

第7回「印紙税の納税地」

 

第6回は、「印紙税の納税義務者」のご紹介をします。

 

高額の領収書を受け取った時や契約書を作成した時などに見かける収入印紙ですが、これは、文書に課税される「印紙税」という税金を納付するために貼られています。

では、印紙税は、いつ、誰が負担するべきなのでしょうか?

印紙税法では、課税対象となる文書を「作成した時」に納税義務が成立し、その「作成者」が納税義務者となる旨が規定されています。

 

⒈「作成した時」とは?

課税文書を作成した時とは、単に文書を作った時ではなく、その文書の目的に従って行使した時をいいます。

具体的には次の通りです。

⑴ 手形、株券、預金証書、受取書など、相手に交付する目的で作成される課税文書

→交付の時

⑵ 各種契約書、合意書など、契約当事者の意志の合致を証明する目的で作成される課税文書

→証明の時

⑶ 預金通帳など、一定事項の付け込み証明をすることを目的として作成される課税文書

→最初の付け込みの時

⑷ 定款など、認証を受けることにより効力が生ずる課税文書

→認証の時

⑸ 新設分割協議書など、本店に備え置くものに限り課税文書に該当するもの

→本店に備え置く時

 

例えば、領収書を発行する場合は領収書を書いただけでは「作成」とは言えず、それを相手に渡す時が「作成」となります。また、契約書についても、書面を作っただけでは「作成」とはいえず、契約当事者双方が署名又は押印する時が「作成」の時となり、この時に納税義務が成立することとなります。

⒉ 作成者とは?

次に、課税文書の作成者についてですが、こちらも単に文書を作った人を指すのではなく、原則として文書に記載された作成名義人が作成者となります。

具体的には次の通りです。

⑴ 法人等の役員や従業員が、その法人等の業務又は財産に関して作成する文書

→その法人等

⑵ その他の文書

→その課税文書に記載された作成名義人

 

⑴は、例えば法人の役員が法人の業務や財産に関して役員名義で文書を作成した場合が該当します。このような場合には、書面上の名義人である役員ではなくその法人が作成者として納税義務者となります。

そのほか、特別なケースとしては、代理人が委任に基づいて文書を作成した場合には原則として代理人が納税義務者となる、2以上の者が共同して文書を作成した場合には連帯して納税義務者となるという取扱いもあります。

 

普段なにげなく目にしたり貼ったりしている収入印紙ですが、法律では様々な取扱いが細かく定められています。

印紙についてご不明な点や判断に迷う事などがありましたら、当法人までお気軽にお問合せ下さい。

 

参照

国税庁HP:課税文書の作成時期及び作成者

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/05/01.htm

受取書の作成者(納税義務者)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/19/13.htm

「迷った時に開く 実務に活かす印紙税の実践と応用」鳥飼総合法律事務所著 新日本法規出版

高田馬場事務所 篠木 市子

 

 

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