社会保険労務士<事務所通信’20/8月>
新型コロナ感染症による社会保険の標準報酬月額の特例改定
◆標準報酬月額の特例改定
今般の新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、休業により報酬が著しく下がった方について、一定の条件に該当する場合は、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能となりました。
◆対象となる方
以下の3つの要件すべてに該当している方が対象となります。
※固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動がない場合も対象となります。
※被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要です(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金および年金の額が算出されることへの同意を含む)。
※本特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
◆対象となる保険料
令和2年4月から7月までの間に休業により報酬等が急減した場合に、その翌月の令和2年5月から8月分保険料が対象となります。
※令和3年1月末日までに届出があったものが対象となります。それまでの間は遡及して申請が可能ですが、給与事務の複雑化や年末調整等への影響を最小限とするため、改定をしようとする場合はできるだけ早めの手続きが求められます。
◆注意事項
・通常の月額変更届・算定基礎届と提出先が異なります。
⇒管轄の年金事務所に郵送、もしくは窓口へ提出します。
・通常の月額変更届・算定基礎届と様式が異なります。
⇒届書および申立書は、日本年金機構ホームページからダウンロードできます。
・この特例改定の届出は、電子証明書を利用したe-Govからの電子申請やG ビズID を利用した電子申請、電子媒体による申請には現時点では対応していません。
・特例改定の届出を行うか否かにかかわらず、通常の算定基礎届の提出は変更なく必用です。
【日本年金機構のリーフレット】
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.files/01.pdf
障害者雇用の取組みが優良な中小企業への認定制度について
◆認定マークの愛称とデザインが決定
新型コロナ感染症による社会保険の標準報酬月額の特例改定障害者雇用の取組みが優良な中小企業への認定制度について今年4月に改正障害者雇用促進法が施行され、障害者雇用に関する優良な中小企業への認定制度(もにす認定制度)が新たに創設されました。厚生労働省は、公募によって決定した障害者雇用優良中小事業主認定マーク(愛称:もにす)のデザインを公表しました。
このロゴマークは、障害者を企業が丸く優しく包み込み、多様性を受け入れ、「共に社会貢献をしていこう!」という前向きな想いを表したキャラクターで、「もにす」という愛称は、共に進む(ともにすすむ)という言葉と、企業と障害者が共に明るい未来や社会に進んでいくことを期待して名付けられました。
<厚生労働省>https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12160.html
◆認定事業主になるには?
障害者雇用に関する優良な中小企業への認定制度は、ポイント制で実施され、下記の要件を満たす中小企業(常時雇用する労働者が300 人以下の事業主)が優良な事業主として認定されます。
など
※認定基準は、厚生労働省ホームページに掲載されている「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度申請マニュアル(事業主向け)」にございます。
また、認定事業主になるための手続き等については、当事務所までお問い合わせください。
◆認定のメリット
厚生労働大臣から認定を受けた企業は、認定マークを商品、広告、求人票、名刺、書類などに表示することができ、障害者の雇用の促進・安定に関する取組みが優良な企業であることを採用活動や取引先等にア
ピールすることができます。また、日本政策金融公庫の低利融資の対象となることや、公共調達で有利になることなども期待できます。
~当事務所よりひと言~
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、従業員の健康確保や感染予防のため休業をされた事業所が多いかと思います。
令和2 年4 月から7 月までの期間に休業により報酬が著しく下がった方については、一定の条件に該当する場合、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額が通常の随時改定ではなく、特例により翌月から改定が可能となります。
該当の従業員がいる届出を希望する事業所におかれては、標準報酬月額が下がる事によるデメリットもございますので、従業員とご相談の上、当事務所までお問い合わせください。
(今月の担当:荻原絵里子)