二重課税?についての考察
ここのところ、レギュラーガソリンの価格が150円に近づいています。少しでも安いガソリンスタンドを見つけようと思うのは私だけでしょうか。
さて、今回はこの150円の中身について考えてみたいと思います。
小売価格1ℓ150円の価格構成は次のとおりです。
- ガソリン本体の価格 85.1円
- ガソリン税の金額 53.8円
- 消費税の金額 11.1円(①+②)×消費税率8%
- 合 計 150.0円
ご覧いただくとなるほど、と思われるでしょうが、何か違和感をもたれないでしょうか。
ガソリン本体にガソリン税が課税されているにもかかわらず、さらに消費税が課税されているという仕組みです。
ところで、ガソリン(ガソリン車)とは異なる軽油(ディーゼル車)についてはどのように取り扱っているのでしょうか。
実は、軽油にも軽油引取税が課税されています。しかし、消費税はこの軽油引取税を除いた部分に課税されています。何故、軽油とガソリンでは消費税の課税に違いがあるのでしょうか。
軽油引取税は業者(ガソリンスタンド)が申告納付することから、一般ユーザがこれを
立替えて支払い、預かった業者が納付するため、消費税とは別に取り扱うことになっています。
では、ガソリン税はというと、ガソリンのメーカーに対して課税されるもので、ガソリン
の本体に付随する税金ととらえられています。従って、お菓子やお弁当と同じく、ガソリン税はその販売価格を構成しているものなので一般ユーザが購入する時に消費税を転嫁するものとして取り扱っています。しかし、税金に税金を課税していることには間違いありません。
軽油引取税…軽油が販売された時点で軽油税が発生する
ガソリン税…メーカーに対して課税 ガソリン価格に含まれている
平成29年度税制改正大綱では、平成31年度税制改正までに自動車の保有に係る税負担の軽減に関し総合的な検討を行い、必要な措置を講ずると発表されていますので、今回の点が取り上げられるか、皆様も注目していただければと思います。
川崎事務所 小高 法之