従業員のためのメンタルヘルス対策
数年前から働き方改革という言葉をよくニュースで耳にするようになりました。実際に過労死や残業時間についての報道の数が増え、国も働き方改革関連法案などにより国民の働き方の改革を始めました。このような社会の中で会社及び経営者は従業員の働き方について考えることが必要になります。従業員が生き生きと働けること、それは人手確保難の状況下で従業員の採用と定着を図り、業務の有効性と効率性をアップしたり、長く続いていく会社になるカギとなるのではないでしょうか。
本記事では従業員の心のケアについて取り上げます。過大な仕事量や悪い職場環境などは従業員のメンタルに負担がかかる要因となり、メンタル不調を引き起こしてしまう可能性があります。このようなことになる前に会社は対策を考えていく必要があります。
会社が従業員のメンタルヘルス(心の健康)について取り組む際に行うことは3つあります。①まず初めに経営者自身がメンタルヘルスの研修を受けることです。経営者が自ら研修を受けることにより、従業員のメンタルヘルスの重要性を認識することが第一歩です。
その研修を踏まえて、②メンタルヘルスの社内責任者を決定します。管理部門の部長が兼務することが多いと思いますが、その責任者を通じて下記のようなメンタルヘルスに関する従業員への研修や面談、専門家の選定を行うのが良いでしょう。③その際には、経営者自身の研修を含めて各都道府県にある中小企業に対する公的支援機関に相談することが良いでしょう。自社で使える研修メニュー等がある場合には活用することを考えましょう。
(1) 教育研修と情報提供
メンタルヘルス研修は現在様々な機関が行っており、講義形式やeラーニングなどの種類があります。経営者や従業員がメンタルヘルスについて理解することにより自分の今の状態と向き合い、考えることができます。研修ではメンタルヘルスの重要性やストレスとの向き合い方などを学びます。また不調に気が付く方法やその従業員を受け入れる体制、対処法も理解できます。特に経営者や部下を持つ管理者は部下の異変や不調を早期に発見し、状況悪化を未然に防ぐことが理想的だと思います。
(2) 面談制度
メンタルヘルスの社内責任者による定期的な面談を行い、誰かに相談できる環境を整えることも効果的です。社内責任者が臨床心理士などの専門家に相談できるようにしたり、従業員が直接、専門家に電話や面接による相談、カウンセリングできるような仕組みを受けてくれる機関もあります。それに加えて定期的にストレスチェックも行い、従業員の状態を把握すると良いと思います。定期的な面談とストレスチェックにより得た情報を踏まえて、必要に応じて専門家を交えて対応を考えましょう。
従業員が働きやすい環境を作るためにも、このような制度を整えることを検討してみてはいかがでしょうか。
ご紹介した仕組みは様々な機関が行っていますので会社に合ったものをお探しください。
(参考) j-net21「ビジネスQ&A」;http://j-net21.smrj.go.jp/qa/org/Q0687.html
厚生労働省HP「みんなのメンタルヘルス」;https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
千葉流山事務所 皆川愛璃