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福利厚生制度の対象が正社員だけでもOK?!新しい法律の内容をチェック!

正社員と非正規労働者で異なる待遇

日本では、正社員を希望しているにもかかわらず、非正規で雇用されている労働者が少なくありません。総務省が実施した「労働力調査(特別調査)」によると、非正規で雇用される労働者は増加傾向にあり、平成30年時点では、雇用者全体の37.9%が非正規労働者であるとの結果が出ています。

尚、非正規労働者の内訳はパートが48.8%、アルバイトが21.5%、契約社員が13.9%、派遣社員が6.4%、嘱託が5.7%、その他が3.8%となっています。

また、非正規雇用の労働者のうち12.8%が、非正規雇用で働く理由を「正規の職員・従業員の仕事がないから」と回答しており、正社員になりたいのになれない人が少なくないことが分かっています(参考:総務省「労働力調査(詳細集計)」)。

雇用形態によって待遇には大きな差が開いており、非正規労働者は正社員に比べて賃金が低く、教育の機会も少ないのが現状です(参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。

厚生労働省は、非正規労働者と正規雇用労働者の待遇差には問題があるとして、非正規労働者の待遇改善に向けて動き出しました。令和2年4月1日から、「パートタイム・有期雇用労働法」が施行され、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者の間の不合理な待遇差が禁止されるようになります(中小企業への適用は令和3年4月1日)。

あなたの会社は、正社員と非正規労働者の待遇差が合理的だと言えますか。「パートタイム・有期雇用労働法」の内容をチェックしながら、福利厚生制度のあり方について考えていきましょう。

福利厚生施設の利用対象を正社員に限定することが禁止に

先述した通り、令和2年4月1日から、正社員と非正規労働者との不合理な待遇差をなくすことを目指す「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されます。この法律は、雇用形態によって、基本給、賞与、福利厚生など、あらゆる待遇において、不合理な待遇差をつくることを禁止しています。

例えば、正社員が利用できる福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)は、非正規労働者にも利用の機会を与えることが義務化されます。スペースや定員などの理由で、福利厚生施設の利用を正社員に制限している場合は、労働者間で利用時間帯をずらすなど、具体的な対策を講じなければいけません。

また、「パートタイム・有期雇用労働法」では、非正規労働者は、使用者に対して、正社員との待遇差について説明を求めることができるとしています。説明は合理的でなければならず、「正社員と非正規労働者では、将来の役割期待が異なるため」といった主観的、抽象的な説明はNGです(参考:パートタイム労働法の概要)。

現行の福利厚生制度において、正社員と非正規労働者の間で差がある場合は、合理的に説明ができる場合を除いて、早急な対応が必要になります。

非正規労働者も雇用保険の加入が必要な場合がある

労働者が失業した場合などに給付が受けられる雇用保険も、正社員に限定された制度ではありません。

非正規労働者であっても、「31日以上継続して雇用されることが見込まれていること」、「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」この2つの条件を満たす場合は、雇用保険の対象となります。

雇用保険は労働者の生活と雇用を安定させ、再就職につなげる際に必要となる保険です。条件を満たす全ての非正規労働者が雇用保険に加入しているか、もう一度チェックすると良いでしょう。

まとめ

令和2年4月1日から、正社員と非正規労働者の間に不合理な待遇差をつくることが禁止されます。福利厚生制度の対象を正社員に限定している場合は、早急に具体的な対策を講じるようにしましょう。

また、条件を満たす非正規労働者が雇用保険に加入していないケースもあるようです。労働者とのトラブルを防ぐためにも、雇用保険の加入状況についても確認しておくことが推奨されます。

(画像はphoto ACより)

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