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【必見】経理初心者が覚えるべき基礎知識|売掛金について解説

経理の実務では、入金チェックや銀行振込、税務書類の作成など、さまざまな業務があります。

しかしながら、確認作業や入力業務が細かいため、多くの企業では詳しい法律や簿記を踏まえた指導が行えていないのではないでしょうか。

このサイトでは、テーマに沿って経理の基礎知識を紹介します。今回は『売掛金』について詳しく解説しますので、現場指導の方はぜひ活用してください。

売掛金の基礎知識
売掛金とは、商品またはサービスを提供した後に、受け取れる未収入金のことです。実際に現金がなくても取引できるため、商売をする際の基本になります。

以下では、売掛金に関する基本的なポイントについて紹介しますので、順を追って勉強しましょう。

信用取引は商売の基本

信用取引は、少ない資金でも大きな取引・投資ができるため、商売の基本です。通常、取引量が増加すると、現金の管理や振込手数料が多くなりますが、売掛金を用いれば管理・経費を削減することが可能です。

流動資産に計上

売掛金は、貸借対照表(B/S)の「流動資産」に計上されます。 流動資産は、1年以内に現金化できる、または消費できる資金のことを指し、ほかには受取手形や棚卸資産(在庫)などが計上されます。

売掛金の発生するタイミング

売掛金は、売上とともに発生するため、売上計上のタイミングに影響されます。以下では、代表的な計上基準について紹介します。自社の計上基準を確認してください。

計上基準 内容
引渡基準 商品・サービスを引き渡した時点で、売上を計上する基準
例)小売業
出荷基準 製品が工場・倉庫から出荷された際に売上を計上する基準
例)卸売業、ECサイト
検収基準 相手先が検収を実施した日に、売上を計上する基準
例)製造業
検針基準 メーター検針をした際に、売上を確定する基準 例)電気・ガス・水道料金
使用収益開始基準 サービスの使用開始と同時に売上を計上する基準
例)不動産、Webサービス
役務提供完了基準 サービスの提供完了日に、売上を計上する基準
例)設計
工事完成基準 工事の進捗状況に応じて売上を確定させる基準
例)建築・ソフトウェア開発
原則、売上計上基準は一度選択したら変更できません。売上基準を都度変更してしまうと、脱税の疑いをかけられる可能性があるため、企業の実態にあわせた計上をしましょう。

売掛金の管理で知っておくべきポイント
掛取引が増えてくると、売掛金の金額や回収時期がわからなくなってしまう可能性があります。以下では、売掛金の管理に関する重要なポイントを紹介します。理解を深めて、管理できるようにしましょう。

現金になるまで時間がかかる

一般的に、売掛金は1〜2カ月程度で現金として回収します。業界特有の慣習や取引内容によって差がありますが、売掛金の回収は製造業や卸売業では長く、宿泊業、飲食サービス業では、短くなる傾向があります。

取引先の与信を確認する

未回収の資金が多いと、資金繰りに悪影響を与えます。そのため信用取引をする際には、与信管理が特に重要です。

与信管理とは、取引先の信用度合いに応じて、どのくらいの金額を取引して良いか判断することを指します。金額の大きな取引をする際には、相手の決算書を貰って確認したり、調査会社に与信を依頼したりして判断します。

回収ができないと決算書に残る

貸倒損失は、損益計算書に記載され、以下の項目に区分されます。

区分 内容
販売費及び一般管理費 売掛金など営業に関する損失
特別損失 臨時かつ金額が大きい損失

また貸倒損失は、法人税の確定申告で必要となる「勘定科目内訳明細書」に、取引先の名前や住所、金額を記載する必要があります。

売掛金がマイナス△になった場合

売掛金勘定は取り扱いが多いため、経理上間違えの起こりやすい科目の1つです。

残高がマイナス計上される場合は、どこかで記載ミスが発生しています。

マイナスになる主な原因

  • 期首残高を入力していないか、もしくは誤りがある
  • 入力した取引金額にミスがある
  • 入力漏れの取引がある
  • 過入金

仕訳帳や総勘定元帳などを使って、マイナスになった原因を確認しましょう。

摘要には取引内容を書く

売上伝票や振替伝票、入力伝票などには、摘要欄が設けられています。摘要欄はスペースが限られており、取引内容を要約して記載する必要があります。

なお売掛金の場合には、取引内容について細かく記入する必要はなく、後から証憑書類を探せるように、相手先の名称を記載すれば大丈夫です。また回収や返品の場合には、いつの売上かわかるようにしておきましょう。

売掛金の会計処理・仕訳
ここでは、売掛金に関する仕訳について紹介します。パターンごとの処理方法を覚え、しっかりと仕訳しましょう。

1.売上を計上したとき

商品・サービスを販売したときには、下記のような仕訳を入力します。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 10,000円 売上 10,000円

なお値引きをした際の仕訳は、下記の通りです。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 7,000円 売上 10,000円
売上値引き 3,000円

借方に値引き額を追加し、仕訳を記載します。

2.現金で回収した場合

後日現金回収をした際には、下記のような仕訳を入力し、売掛金を現金に変更します。

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000円 売掛金 10,000円

この仕訳により、売掛金が0円になり、現金が流動資産に計上されます。

3.銀行振込で振込まれた場合

振込で当座預金に入金された際の仕訳は、下記の通りです。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 9,700円 売掛金 10,000円
支払手数料 300円

振込手数料やクレジットカードの手数料がある場合には、一緒に記載します。なお、手数料が一括して計上される場合もあるため、注意しましょう。

4.商品が返品された場合

売掛金の回収前に商品が返品された際は、下記のように処理します。

借方 金額 貸方 金額
売上 10,000円 売掛金 10,000円

入力自体を消去する方法もありますが、後から確認したい場合には、しっかりと逆仕訳を記載して、取引履歴を残しましょう。

5.買掛金と相殺した場合

取り扱い商品が多ければ、売掛金・買掛金の両方ある取引先があるでしょう。その際には買掛金と売掛金を相殺することが可能です。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 10,000円 売掛金 10,000円

相殺することで、振込手数料をなくすことができます。なお、領収書の発行が必要なので、実際の業務をする際には、領収書の取り扱いにも注意しましょう。

6.相手が回収不可能になった場合

取引相手が貸倒し、回収ができなくなった際には、貸倒損失を計上する必要があります。

なお、貸倒損失を計上する際には、一定期間以上の回収を試みたり、裁判所の通知を受け取ったりして、根拠となる理由がなければ計上ができません。

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 3,000円 売掛金 10,000円
貸倒引当金 7,000円

また大企業においては、税法上貸倒引当金が廃止となっています。企業の規模にあわせた経理処理をしてください。

まとめ

信用取引は、小売・卸業などさまざまな企業で実施されています。

しかしながら、売掛金には回収不能や長期滞留になるリスクが潜んでいるため、経理担当者は常に注視しておく必要があります。まずは基本的な知識を身につけて、実際の業務を遂行しましょう。

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