偶発税金債務の開示(=Uncertain tax position)

 本日は、国際会計基準に関する「偶発税金債務の開示」についてご紹介致します。
偶発税金債務の開示とは、将来税務調査を受けた場合の更正額を予測し、その債務の存在を確定申告書上で明らかにすることをいいます。
 もう少しかみ砕いた表現を致しますと、税務上の取り扱いで白黒はっきりさせることが難しい取引について、どちらかというと黒(確率50%超)となった場合に、問題点を申告書上で債務として明示させることをいいます。
それではどのような時に偶発税金債務の開示を行う必要があるのでしょうか?

事例
A社は米国事業が好調なことから社屋を購入。土地、建物の取得価格算定に際して、不動産鑑定士の意見を採用せず、自社の判断で決定。
(→偶発税金債務のリスクの可能性あり)

 偶発税金債務のリスクがあると判断された場合には、次の手順で開示を行います。
また、現時点では、監査を受けている総資産価格1,000万ドル以上の企業は、開示が必要となります。
<開示手順>
ステップ1  リスクの洗い出し
ステップ2  リスクの測定(※MLTN基準)
ステップ3  リスクに伴う債務の計算
ステップ4  リスク、ペナルティ、利息の認識
ステップ5  確定申告書に開示
※MLTN基準(More Likely Than Not)
白黒を判断しなければならない状況での判断基準
「どちらかといえば白」「どちらかといえば黒」の判断を行う

 以上の流れで偶発税金債務の開示を行います。
開示は申告書に付けられる付属表(schedule)上で開示され、会計上の処理は、日本の科目で例えますと「法人税等/未払法人税等」となります。時効期間が設定されておりますので、一定の時効期間の経過とともに消し込み処理を行います。
同処理方法については、将来的には日本でも導入される可能性があるようです。

参考資料:国際会計基準(IAS37、IAS12)米国基準(ASC740、FIN48)

川崎事務所 業務部 山口舞花

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