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小さな会社のための知的財産

「知的財産」という言葉から何を連想するでしょうか?
 知的財産に馴染みが無い零細企業や中小企業の経営者の方は、次のように言われるかもしれません。
「特許権や商標権のことでしょう?
 最先端の研究開発をしている大企業に関係あることで、我々のような零細企業や中小企業には関係ないよね。
 まあ、儲かったら考えるけど、権利を取得するのってむずかしいんでしょう?」

 

1.知的財産権だけが知的財産ではない?

 特許権、商標権などのような「知的財産権」は特許庁に出願して手続きを踏まなければ権利が発生しませんが、「知的財産」は零細企業、中小企業にかかわらず、どこの企業にも存在します。
最先端の研究開発をしている大企業だけではなく、零細企業、中小企業を含むすべての企業、個人商店であっても「知的財産」を持っているのです。
すでに所有している「知的財産」を足掛かりとして、会社をより発展させ、競争力をつけるために「知的財産権」の取得に結び付けていけばよいのです。

 零細企業、中小企業、個人商店のいずれであっても日々の業務において、業務を改善したり、業務効率を上げたりするためにちょっとした工夫、アイディア出しをしながら業務をしている筈です。
それらの工夫、アイディアこそが知的財産そのものです。
従業員がしたちょっとした工夫、アイディアを、経営者が取り上げることにより従業員のモチベーションは上がり業務の効率化をより図ることができます。
 そのためには、業務改善や業務効率のための工夫、アイディア出しのミーティングを月に1回程度で構いませんので行うとよいでしょう。

従業員から出てきた工夫、アイディアに対して、仮につまらないと思っても経営者の方はつまらない、などとは絶対に言わないでください。
つまらないアイディアなどはありませんし、つまらないアイディアと思っていたものが化けることもあるのですから。
アイディア出しのミーティングでは、必要に応じてSWOT分析などを行うことにより、経営者が思いもつかないような自社の強み、弱みを従業員が見つけ出してくれるかもしれません。
そのようにして見つけられた強みも「知的財産」の一つですし、弱みを改善することが「知的財産」となります。

 ミーティングにより出てきたアイディアのうち、「これはいいなぁ」と思ったアイディアを出した従業員に「社長賞」として表彰したり、ささやかでもいいので「金一封」を渡したりすることにより、従業員のモチベーションはさらに上がり、従業員全体のレベルも向上します。
このようなミーティングを続けることにより、知的財産に対する理解度が会社全体として向上することにもなります。

また、ミーティングを続けているうちに、「これは非常に素晴らしい!他の会社にはまねされたくない!」というアイディアが出ることがあります。
そのようなアイディアについて、特許出願や意匠出願を考えればいいのではないでしょうか?

 

2.小さな会社にとって知的財産権を取得する意味って何?

 零細企業、中小企業、個人商店などにとって知的財産権を取得する意味があるのでしょうか。
確かに自社が特許権を取得すれば、独占排他権が生じるので他社が真似をしてしまうことを防ぐことができます。
では、高い費用をかけて中小企業などが知的財産権を取得する意味はこれだけでしょうか?

 次のようなことが考えられます 。

①製品の売り上げを向上させることができる。
 製品に特許権があれば、自社しか生産できないのですから自然と売り上げが上がります。

②自社の技術力をアピールできる。
 特許権は世の中に無い新しい技術について国からお墨付きの権利を与えられるものですから、新しい技術を開発できるほどの高度の技術力を有しているとクライアントの会社などにアピールできます。会社の信頼度が高まります。

③他社との業務提携の可能性が高くなる。
 自社の技術力をアピールした結果、その技術力に目を付けた会社と業務提携ができる可能性が高くなります。

④新たな販路の開拓ができる。
 他社との業務提携により新たな販路を開拓することもできるようになります。

⑤製品を売る場合にクライアントに対して有利に立てる。
 特許権を持っていて、その製品が自社しか作れない場合、その製品を欲しいクライアントは、原則として自社からしか購入できないのですから、取引において自社が有利に立つことができます。

⑥製品を売る場合に競合会社に対して有利に立てる。
 自社の製品を競合会社が作ることができないのですから、競合会社に対して自社が有利に立つことができます。

⑦ブランド・イメージを作ることができる。
 商標権を取得することにより自社または製品のブランド・イメージを作ることができる。

 このように、知的財産を取得することは、単に他社からの模倣を防ぐだけでなく、さまざまなメリットがあります。

 

3.小さな会社が発展するために

 知的財産権は、会社が儲かったら取得するのではなく、会社を従業員とともに発展させ、会社が儲かるために利用するツールの一つです。
知的財産を活用して他社が真似をすることのできない自社の強みを把握することにより会社がますます発展することになります。
また、とくに中小企業は知財経営という考え方が未だ浸透していないように見えますので他社に先駆けて知財経営に取り組むことにより自ら未来を切り開き他社との差別化を図ることができます。
 


1知財とうまくつきあうコツ! 近畿経済産業局 地域経済部産業技術課特許室。 平成24(2012)年2月。 pp.85-87 を参考にした。

東京UIT国際特許業務法人

東京UIT国際特許業務法人(http://www.uit-patent.or.jp/
3名の異なる専門分野の弁理士によって設立された特許業務法人。
とりわけAIやITといった分野に強く、30年のキャリアの中で多数の案件に携わっている。
その他、意匠や商標にも対応しており、ビジネスにおける様々な知的財産権の問題や事前対策を相談できる事務所である。

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