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インボイス制度導入後の税務調査について

インボイス制度の導入により、帳簿及び適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となりました。従来の区分記載請求書は、売手が免税事業者でも交付することができ、買手は免税事業者からの仕入でも仕入税額控除ができましたが、今後は適格請求書発行事業者から交付されたインボイスの保存が仕入税額控除の適用を左右することになります。
インボイス制度導入後の税務調査でこれまでと大きく変わるのは、インボイス発行事業者でなければインボイスを交付できないことから、まず「そのインボイスは適格請求書発行事業者が交付したものか」を確認することが必須になるかと思われます。
また、正当なインボイス発行事業者のものだとして、「インボイスの記載事項が必要な要件を満たしているかどうか」を確認するという点が考えられます。
インボイス制度導入後は、売手であるインボイス発行業者は、課税事業者である相手方にもとめられれば、インボイスを交付・保存する義務が課されます。これまではこのような義務は課されませんでした。したがって、インボイスの記載内容に疑義が生じた場合には必要に応じて反面調査を行い、売手の保存しているインボイスの記載内容を確認することになります。

税務調査時のインボイスの扱いに関する国税庁次官の発言では、税務調査については、大口で悪質な不正計算が想定されるなど調査の必要度の高い納税者を対象に重点的に実施し、仮に、調査等の過程でインボイスの記載事項の不足等の軽微なミスを把握しても、インボイスに必要な記載事項を他の書類等で確認する。(相互に関連が明確な複数の書類を合わせて一つのインボイスとすることが可能)といった対応を行うとのことです。
直近2~3年の税務調査では、インボイスの帳簿や書類不備は指摘程度になるのではないかと予想されます。まずは制度の定着を図ることが重要であり、柔軟に対応していく方針で税務調査が行われるようです。

出典:国税庁HP

千葉旭事務所  渡邉 武男

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