外国人を採用する際の注意点は?
新型コロナウイルスの影響で、人員削減や業務縮小、在宅勤務など日本の労働環境は大きく変化しました。
しかし、依然として慢性的な人手不足に悩む業種は減らず、企業は外国人の採用に目を向けています。
今回は、外国人を採用する際に注意したい点をご紹介いたします。日本人の採用とは異なる点があるので、ぜひ参考にしてください。
外国人を採用する企業が増えている理由
・人手不足
厚生労働省が発表したデータ(2018年12月「季節調整値」)によると、「建設・採掘の職業」で5.4倍、「サービスの職業」では3.79倍と、深刻な人手不足に陥っています。新型コロナウイルスの影響を受けた労働環境の変化により、今後は数値が変化することも考えられますが、依然として「介護職」や「運送業」、「建設業」では人手不足が続いています。
労働力不足は企業にとって大きなダメージです。そのため、企業は外国人を積極的に採用し、労働力を確保しています。このことが、外国人採用が増加している理由の1つです。
・日本の労働人口の減少
現在深刻な人手不足に悩まされていますが、今後もその悩みは解消される見込みはありません。この背景には少子高齢化があり、さらには日本の人口自体が減り続けていることにも起因しています。労働人口の減少は、今後も拡大していくことが予想されています。
外国人労働者を多く受け入れ、労働人口を増やすことは、国や企業にとって大きな利益を生み出すことができます。2019年4月には、技能実習生の枠を増やすなどの法改正を行うことにより、国全体で外国人労働者を雇用しようという動きがありました。
外国人を採用する際の注意点は?
では外国人を採用する際、どんなことに注意すればよいのでしょうか。日本人の採用とは異なる点があるため、注意点を確認しておきましょう。
・就労ビザの取得
外国人の採用には、就労ビザの取得が必要になります。
しかし就労ビザを取得したからといって、どんな職種でも自由に働くことができるわけではありません。希望の就労ビザを取得するためには、一定の要件を満たしている必要があります。
在留カードの確認や就労資格証明などで確認をすることもできますが、専門的な知識が必要になるので、出入国管理局の担当者などに尋ねてみましょう。万が一不法就労が発覚した場合は、雇用した会社にも罰則が及ぶこともあるので、注意しましょう。
・コミュニケーションを取れるか
外国人とは言語の違いはもちろん、文化や風習も違います。日本人の「当たり前」や「普通」が、外国人には通用しません。そのため、日本人同士では省略して通じる会話でも、外国人には1から10まで丁寧に説明する必要があります。
採用する外国人の日本語能力を把握し、日本語スキルに応じた業務に就いてもらうことで、コミュニケーションによるトラブルを防止することができます。
そもそも向上心を持って来日した外国人なので、語学や仕事を学ぼうと意欲的な姿勢で応募しています。その意欲を活かし、積極的に日本語を覚えてもらい、スキルアップやキャリアアップにつなげましょう。
・即戦力となるか
外国人を採用することは人手不足を補うことができる点で、大きなメリットがありますが、専門的な知識を有する業種では、即戦力となる人材を確保することも重要です。特にアルバイトで外国人留学生を雇う場合、仕事をすること自体が初めてだという外国人も多いので即戦力として仕事をこなすには、時間がかかる場合もあります。
即戦力としてすぐに働けるかという点、または即戦力として働くことができるようになるまでの期間やそこに付随するコストなども考慮したうえで採用を決めましょう。
まとめ
人手不足と労働人口減少に悩まされる日本で、外国人労働者は、国や企業にとって頼れる労働力であり、生産性の向上につながる貴重な存在です。
日本で働く外国人は、日本に何らかの魅力を感じ、希望を持って来日しています。
外国人を採用する際は、国や文化を超えてよりよいビジネスパートナーになれるように、就労ビザの取得や労働契約をしっかりと確認し、業務上のトラブルを防止できるよう注意しましょう。
(画像はPixabayより)