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ひとり経理の効率化術|掛金はExcelでも管理

掛け取引の消込業務は、掛金勘定の残高を管理するには欠かせません。しかし、取引先が多い場合の消込作業は煩雑で時間がかかります。また、締め日や支払いのタイミングがそれぞれ違う帳簿残高との照合は面倒なので後回しにしがちです。
これらの課題を解決するには、クラウド会計を利用したり、Excel で残高確認をおこなったりするのも有効です。クラウド会計は、口座により自動的に入出金データを取り込み、消込処理を効率化します。一方、Excel は取引先ごとに一覧表を作成することで、残高の確認を容易にします。
本記事では、掛け取引の消込業務について説明します。正確な残高管理と業務効率化を実現するヒントが満載です。

消込業務の必要性と注意点

掛け取引が発生すると、以下の理由から消込業務が必要です。

売掛金の消込:顧客からの入金状況を把握し、未回収リスクを早期に発見するため
買掛金の消込:支払い漏れや重複支払いを防ぐため

掛け取引の数が多い場合、入出金のたびにどの売掛金なのか、どの買掛金なのかを把握できなければ、消込業務が煩雑になります。

また、消込業務をおこなったあと、帳簿残高が正確かを確認することも忘れてはいけません。売掛金や買掛金の額と入出金の額を照合していても、差し引かれていた振込料を経費計上するのを忘れたり、消費税の端数処理で1円の誤差が生じていたりと、小さな差額がでることがあるためです。これらは帳簿残高を合わせることで見つけやすくなるため、毎月確認することをおすすめします。

残高照合には補助科目設定がおすすめ

残高を照合するとき、「売掛金残高」や「買掛金残高」が大きくひとくくりになっていると確認しづらくなります。そこで、売掛金勘定や買掛金勘定には、補助科目を設定するとよいでしょう。取引先ごとに補助科目を設定すれば、それぞれの帳簿残高を確認できます。

ただし、取引先の締め日と入出金のタイミングがずれている場合は、帳簿残高での照合が煩雑になります。例えば、毎月20日締め、支払期日が翌月末の場合を以下の通りにまとめました。

5月 6月 7月 8月 9月
5/20 5/21 6/20 6/21 7/20 7/21 8/20 8/21 9/20 9/21
4/20分
入金
5/20分
入金
6/20分
入金
7/20分
入金
8/20分
入金

7/21〜8/20の売掛金は9/30に入金されます。8月末の帳簿残高は7/21~8/31までの売掛金が計上されているため、月末に入金される額と一致しません。そのため、別で6/21〜7/20の売掛金の額を確認して照合するか、帳簿の明細を確認し電卓で計算して金額を算出する必要が生じます。こうした取引は確認不足が起きやすいので特に注意が必要です。しかし、決算時に差異が見つかると、原因を探して遡るのはもっと大変なので、面倒でも毎月確認するよう心がけましょう。

Excelを用いた効率的な帳簿管理の方法

Excelで補助勘定を作成する最大のメリットは、データ管理の自由度が高い点です。例えば、毎月20日締め、支払期日が翌月末の場合でも、Excelを使えば簡単に消込業務が正しく処理されているかを確認できます。

5月 6月 7月 8月 9月
5/20 5/21 6/20 6/21 7/20 7/21 8/20 8/21 9/20 9/21
8/20
入金

一覧表に以下の通り金額を入力し、差異が出ていないかを毎月確認します。
8/1~8/20までの売掛金の額(⑤に入力)
8/21~8/31までの売掛金の額(⑥に入力)
8月末日に入金される予定の金額(⑨に②+③と入力)
8月末日に実際振り込まれた金額(⑫に入力)

また、⑫の下にもう一行作成し、⑫-⑨と入力して差異を表示するのもおすすめです。さらに条件付き書式を利用し、答えが0ではない場合はセルを赤塗りに表示するよう設定すれば、差異が出た場合でも一目瞭然です。

Excelで一覧表を作れば、計算式を自由に設計でき、確認作業もスムーズにおこなえます。

ミス防止と効率化になる会計ソフト

会計ソフトはインターネットバンキングと連携することで、自動的に入出金データを取り込めます。これにより、手作業での消込処理が大幅に削減され、効率化が図れます。また、一度消込処理をおこなったデータは、次回以降の入金時にも同じように候補として表示されるため、ミスを減らせるのです。会計ソフトを活用することで、煩雑な消込処理を自動化し、業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

まとめ

掛け取引の消込業務は、売掛金と買掛金の残高を把握し、未回収リスクや支払い漏れを防ぐために欠かせません。しかし、取引先が多い場合、消込作業は煩雑で、締め日や支払いのタイミングがずれていれば、帳簿残高との照合も面倒になります。
これらの課題を解決するには、会計ソフトの利用が有効です。会計ソフトは、インターネットバンキングとの連携により自動的に入出金データを取り込み、消込処理を効率化します。さらにExcelの管理同様、会計ソフトでも補助科目設定ができますので、毎月の残高照合も楽に行えます。会計ソフトの導入がまだであれば、掛け取引処理の効率化のためにも、導入の検討をしてみてください。

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