ナレッジ

KNOWLEDGE

  1. HOME
  2. Knowledge
  3. 経理
  4. ひとり経理のためのミス防止策!電卓を使った照合テクニック

ひとり経理のためのミス防止策!電卓を使った照合テクニック

ひとりで経理業務を担当していると、ふとした瞬間に「ミスをしていないか」という不安に襲われることもあるでしょう。他の人のチェックを受けられない環境では、ミスが起こりやすいのが現状です。
しかし、ミスは誰でも起こすものです。それを予防するための対策を講じることで、リスクを大幅に減らすことが可能です。 経理は、正確性と効率性が求められます。そのうえ煩雑な工程が多く、時間に追われる毎日を過ごすことが多いのです。そんな状況でもミスを防止する方法は存在します。本記事では、特に照合作業に焦点を当てて、効果的なミス防止策をご紹介します。

忙しいときはミスが起きやすい

日々の業務に追われて、忙しく働く中でもとくにミスを回避したいポイントがあります。
● 給与計算
● 買掛金や給与の支払
● 請求書発行業務
支払い業務中のミスは、相手に不信感を与えかねません。したがって、請求書の照合や振込金額の確認はミスしたくない作業です。「時間がない!」という場合でも、請求書と振込額の照合をせず作業をおこなえば、ミスに気付かず支払う可能性が高くなります。
本来なら、別の人が照合した方が確実性は増すでしょう。しかし、ひとりで経理業務を担当している場合、他に確認してくれる人もいません。時間に追われておこなう作業は小さなミスが起きやすくなります。 特に数字の照合で、似たような数字の見間違いは普段でも起きるミスです。たとえば、239と 293のように数字の並びが逆になっているケースでは、目視では間違いに気付かない可能性が高くなるのです。

時間がなくてもできる!照合テクニック

時間が不足しがちなひとり経理の状態で、このようなミスを防ぐには、電卓を使った照合が効果的です。 具体的には、照合する数字同士を電卓で引き算し、0になるかを確認します。
たとえば、請求金額と振込金額を照合する場合、まず振込額を電卓に入力し、そこから請求額をマイナスします。 結果が0になれば一致している、0にならなければ不一致ということです。電卓の数字は0か、それ以外かの判断だけなので見間違えることもないでしょう。目視では見逃しがちな照合ミスも、電卓を通すことで不一致に気付きやすくなります。

応用として、エクセルで一覧表を作成するのも有効です。各項目に振込額と請求額を入力し、その差が0になるかを確認します。一覧表は一度作ってしまえば、繰り返して利用可能です。銀行振り込みをネットバンキングでおこなっている場合、振込額のデータをエクセルにインポートできれば、入力の手間が省けるうえ、入力ミスも回避できます。また、条件付き書式を利用し、差額が0にならなかったときセルが赤くなるよう設定すれば、ひと目で判断することも可能です。すこし手間はかかりますが、ミスを回避するには有効な手段です。
これらの方法を利用すれば、目視では見逃しがちな数字の並び間違いなども、発見しやすくなります。

ミスの回避とリスクの分散化

電卓を使った照合は、手間がかかると思うでしょう。それでも、照合の不一致を発見するには効果的です。
時間に追われながらおこなう作業はミスが増えがちです。照合をする場合でも無意識に「合っている」という思い込みが働きやすくなるのです。すると、同じ数字が順番を変えて並んでいてもその違いに気付かないというミスが起きます。一方、電卓を利用して照合する場合、数字を1つずつ入力するため、どちらかといえば照合作業が機械的になり、考えなくても正確な判断ができるようになるのです。

ヒューマンエラーという言葉もあるように、人は必ずミスをします。「だからミスをするのは仕方がない」というのではなく、ミスを回避する方法を構築するのが大切なのです。
照合は、自分とは別の目で確認するのが有効です。しかし、ひとり経理ではそうはいきません。そこで、自分でもう一度確認するのではなく、別の視点で確認するというわけです。その「別の視点」として電卓を利用します。

ひとり経理は業務を誰かと分担しない分、全て自分でやろうとしてしまいます。しかし、頼ってもいいのです。身近な電卓やパソコンをはじめ、システムやAI、RPAなどを利用して、頼れるところは他に任せてしまうのもよい方法です。

別の角度から確認すると、ミスの発見だけでなく業務の改善方法や削減箇所などが見えてくることがあります。それが業務改善のきっかけになる場合もあるのです。このように多角的な視野で業務を観察することは重要であるといえます。

まとめ

ひとり経理では、ミスを防ぐことが重要です。 特に時間に追われている状況下では、数字の照合ミスが起きやすくなります。そんなときには電卓を使った照合が有効です。照合する数字同士、電卓を使って引き算し、結果が0になることで、目視では見落としがちな数字の並び間違いなどを発見しやすくなります。また、少し手間はかかりますがエクセルを使うのも、より効率的で正確な照合が可能になります。
ひとり経理の方は、自分の目だけでなく、電卓やパソコンなどの「別の視点」を活用することで、ミスのリスクを分散させることも大切です。また「別の視点」を利用することで、業務改善や生産性向上のきっかけに繋がる場合もあるでしょう。 電卓照合を習慣にし、ミスを回避する手段を取り入れることで、正確で効率的な財務業務を目指しましょう。

関連記事