インボイス制度 帳簿の保存だけでよい取り引きの帳簿記載方法
本年10月に開始するインボイス制度では、原則、適格請求書を保存しなければ仕入税額控除ができないが、請求書等の交付を受けることが困難な一定の取引に係る仕入については、帳簿のみ保存で仕入税額控除ができる。(新消法30⑦、新消令49①、新消規15の4、インボイスQ&A問107)
控除を受けるには、帳簿に「帳簿のみ保存が認められるいずれかの仕入に該当する旨(該当する仕入名)」を記載しなければならない。
帳簿のみ保存の対象となる取引には、適格請求書等の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送(公共交通機関特例)や、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費特例)などの9種類がある。
帳簿に記載が必要な「該当する仕入名」について、例えば公共交通機関特例に該当する取引には「3万円未満の鉄道料金」と、出張旅費特例に該当する取引には「出張旅費等」とそれぞれ記載すればよい。
ただ、取引ごとに仕入名を文字列で帳簿に記載しようとすると、摘要欄が狭いなどの理由で入力が難しく、現在使用中のシステムも改修する必要が生じることがある。この場合、取引ごとに記載する仕入名は、必ずしも文字列である必要はなく、記号を使用した対応も認められる。
例えば、公共交通機関特例に該当する取引の摘要欄には「△」と、出張旅費特例に該当する取引には「◎」とそれぞれ記載し、別表で「△は3万円未満の鉄道料金」、「◎は出張旅費等」と摘要欄上の記号が示す内容を表示する内容でもよいとのこと。
なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けるには、仕入名のほか「仕入の相手方の住所又は所在地」も帳簿に記載する必要があるが、公共交通機関特例や出張旅費特例など一定の取引については、記載上不要となる(インボイス通達4-7)。
引用:国税庁HP
千葉旭事務所
渡邉 武男