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ガソリン税と軽油引取税


「日本は海外に比べてガソリン代が高い」という声を聞きます。
また「ガソリンにはガソリン税が掛けられているのに、さらに消費税が掛かるのはおかしい!」という意見もあります。
今回はガソリン(軽油)を給油すると掛かる諸税について、解説したいと思います。

ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)と軽油引取税は2009年3月31日までは、国と地方の道路財源(道路特定財源)として使われていました(道路特定財源は現在廃止)。
ガソリンには、1リットルあたり53.8円のガソリン税(本則税率28.7円、暫定税率25.1円)と2.54円の石油税が含まれています。私が先日給油した時は1リットル122円でしたので、約4割が税金になる計算です。さらに10%の消費税が掛かります。
軽油の場合、1リットルあたり32.1円の軽油引取税(本則税率15円、暫定税率17.1円)
と2.54円の石油税が含まれていますが、軽油取引税以外の軽油本体+石油税に10%の消費税が掛かります。消費税課税前のガソリンと軽油の差は21.7円、軽油の方が安いと感じるのも、それぞれの税金も関係しているのかも知れません。
※沖縄県は「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」第80条3項に基づく政令により本土より7円減税されています。また、「沖縄県石油価格調整税条例」により、ガソリン1リットルあたり1.5円を徴収していますので、相対的に5.5円の減税となっています。

前述のとおり、ガソリンの価格にはガソリン税と石油税が含まれています、これが、いわゆる「二重課税」になるのではないかという、議論の原因なのですが、これらの税金の納税義務者は石油元売業者ですので、ガソリンスタンドに卸す時点で、最初から「生産コスト」として転嫁されています。
 一方で軽油引取税の納税義務者は、ガソリンスタンドですので、軽油を消費者に引き渡す税金として、消費税と同じく最終消費者(この場合は軽油を給油した人)より徴収していますので、「販売コスト」として転嫁されずに、消費税の課税対象にはなりません。ガソリンスタンドのレシート(明細書)に軽油引取税の表記はあっても、ガソリン税としての表記はしていないことの方が多いはずです。

 二重課税かどうかの議論に対する答えを、この場で出す事は出来ませんが、ガソリンスタンドで給油をされている時に、この記事を思い出していただけたら、幸いです。

参考出典:
財務省HP自動車関係諸税・エネルギー関係諸税(国税)の概要
国税庁HP消費税法基本通達 10-1-11 個別消費税の取扱い
                                   
東京練馬事務所 古田 一成

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