【COVID-19】コロナ禍を生き抜くための資金繰り術Part2
その2.資金繰り表を作成してみよう
前回は、「恐れ」の正体と「資金繰り表」の作成をお薦めさせて頂きました。前回の記事を見る>>>こちら
今回は具体的に「資金繰り表」にはどのような種類があるかをご紹介します。
◆資金繰り表の種類
「資金繰り表」は、「こうでなくてはいけない!」というものは特にありません。自分が使いやすい表、資金の流れを掴みやすい表を作成することが最も大切なことです。
一般的な「資金繰り表」としては、①年次、②月次(マンスリー)、③週次(ウィークリー)、④締日毎、⑤半月毎、⑥日時(デイリー)等といった種類があります。
普段、私が主に作成して利用しているものは、②月次(マンスリー)です。こちらは月ごとの資金の増減、いつ資金が足りなくなるのか?等を月末単位で把握できるので、大変重宝しています。ただし、デメリットもあります。あくまでも月単位での集計なので、月末時点の資金残高しか把握できないという点です。例えば、締日・支払日の関係で10日の午前中の一瞬だけ資金が「ゼロ」になってしまうという可能性も考えられます。そういった部分を捕捉できないのが、②月次(マンスリー)の弱点となります。
「資金繰り表」の種類ごとにメリット・デメリットがありますので、それを解消するために、資金需要や規模に応じて「資金繰り表」を使い分けすることをお薦めいたします。具体的なイメージとしては次のような感じです。
資金繰り表: ① ② ⑤ ④③ ⑥
※①年次、②月次(マンスリー)、③週次(ウィークリー)、④締日毎、⑤半月毎、⑥日時(デイリー)
過去、私も何度か、⑥日時(デイリー)の「資金繰り表」を作成したことがあります。正直なところ、資金繰りを⑥日時(デイリー)まで掘り下げるような状態は、経営環境としては非常に厳しい状況にあります。そのような状態となる前に、①年次・②月次で現在の状態をタイムリーに把握しておくことが大切になります。
◆「資金繰り表」は誰が作るの?
個人的には経営者が作るべきだと考えています。「資金繰り」は、車のアクセルとブレーキにも例えられます。それを人任せにするのは大変危険なことではないでしょうか。
とはいえ、いきなり「資金繰り表」を作りはじめるにはハードルが高いです。最初は会計事務所に手伝ってもらいながら共同作業で行い、慣れてきたらご自身で作成されてみるのはいかがでしょうか。
次回は、資金繰り表の具体的な作成方法をご紹介します。
青葉事務所
税理士 戸田盛通