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外国人従業員の帰省費用を負担した場合

ホームリーブ費用とは、日本国内において雇用主が外国人従業員の故郷に帰る航空券代等の渡航費を負担する費用のことです。この際、外国人従業員の家族の渡航費用もホームリーブ費用に含まれます。

所得税の一般的な考え方にあてはめると、ホームリーブ費用は雇用主が外国人従業員に渡す金銭等のものにあたるので、従業員の給与に加算して源泉所得税の対象になると思われます。ただし、日本の所得税の取り扱いにあたっては、課税の対象とはなりません。
そして雇用主は支払ったホームリーブ費用を福利厚生等とし、損金とすることができます。

ホームリーブ費用として認められるためには・・・
・おおむね1年以上の勤務期間があること
・負担する渡航費用が本人分を含み、生計を一にする配偶者その他の親族であること
・渡航費用が最も経済的かつ合理的と認められる範囲内であること
・国外で採用され、一時的に日本に転勤している外国人従業員であること

ホームリーブ費用の支給の際に事前に準備しておいたほうが良いのは、就業規則の規定です。
実際にお客様から質問の多い事項を解消するための一例となっております。

<就業規則一例>
・勤務期間(何年以上勤務したらホームリーブ費用を支給されるのか)
・費用の受け渡し方法(金銭で受け渡しをするのか、後日精算とするのか、雇用主側で渡航券を手配するのか等)
・外国人社員の家族の何親等までの費用を負担するのか、人数制限を設けるのか
・ホームリーブ費用の限界値の設定(1回の帰国につき往復50万円まで等)
・年に1回等の回数の規定(翌年への繰越等は禁止等)
・飛行機の座席のグレードについて(役職に応じてエコノミー、ビジネス、ファーストを設定)
・座席のアップグレードについて(自己所有マイル利用は可)

故郷に帰りたくても事情があり帰れなかった外国人従業員等からホームリーヴ費用に相当する金銭を要求された際にも、上記の内容等を規定しておけば、理解を得られると考えられます。
ホームリーヴ費用はあくまでも故郷に帰る費用を負担するものなので、一定金額を設定し、帰郷を問わず外国人従業員全員に一律支給する場合には給与加算となり、所得税の課税対象となり得ますのでご注意下さい。逆に、従業員間の公平を守るために給与加算として一律で支給している会社もあります。

<参考資料>
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/750116/01.htm
参照元:国税庁HP

渋谷事務所
山口 舞花

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