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プラスチックごみの行方

 環境省がスーパーやコンビニエンスストアなどで配られるレジ袋の有料化を義務づける検討を始めました。日本に於いてのレジ袋の有料化は既に実施されているお店もありましたが、義務化が決まれば多方面への影響が心配されます。
 平成30年に入り、マクドナルドやスターバックスなどの大手外食チェーン店も相次いでプラスチック製ストローの提供をやめる意向を示しました。
プラスチックごみの環境への影響は以前から言われていた事ですが、何故今世界中でこのような動きが進んでいるのでしょうか?
 
 平成30年1月、中国政府は突然、これまで世界中から受け入れていた資源ごみ、プラスチックごみの輸入を禁止しました。世界で輸出される廃プラスチック1500万トンのうちの6にあたります。
 中国では今まで、急速な経済発展の一端を、資源ごみが支えてきました。資源不足に悩む中国は、海外から資源ごみを輸入し、リサイクルする方法をとっていました。特に先進国が消費した膨大な廃プラスチックは、石油原料よりはるかに安い、貴重な資源だったからです。
 しかしそれは、中国にも深刻な環境汚染をもたらしていたのです。さらに輪をかけたのが、国内で生じる大量のプラスチックごみです。経済環境が変わり、みずからも、世界有数のプラスチック消費国となった中国は、自国のプラスチックごみですら持て余すようになったのです。こうした事から、日本でも行き場を失ったプラスチックごみが増え続けているのです。
 日本が中国に送り出していた廃プラスチックは年間100万トン東京ドーム3杯分にもなります。今のところは、中国の輸入禁止直前に、駆け込み輸出をしたため、問題は表面化していませんが、パンクするのは時間の問題だといわれています。
 
 私たちは生活する上で、たくさんのプラスチック製品を使用しています。安価で丈夫なうえどんな形にも加工しやすく、戦後の日本の経済発展を大きく支えてきました。プラスチックごみに限らず、私たちの生活に於いて利便性が高まれば、それに伴うリスクが生じます。どんな未来を期待し、どんな生活を選択するのか、私たち一人一人の思考や行動が大切だと感じます。環境問題への取り組みというと、漠然としていて何から手をつけていいかわからない方も多くいると思いますが、今、政府が動き始めたレジ袋の削減に、私も積極的に協力していきたいと思います。
 
参照:日本経済新聞
NHKクローズアップ現代

川崎事務所 山田真規子

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