離職率と退職証明書はいつ必要?会社を辞めてから慌てないように準備をしよう!
意外と知らない退職時の手続き
転職や退職を考えている人でも、離職時の手続きについて正しく理解している人は多くありません。会社から発行してもらった離職票はどこに提出すれば良いのでしょうか。退職証明書はどのようなときに必要になるのでしょうか。
会社を辞めてから慌てたり、トラブルに巻き込まれたりしないために、離職票と退職証明書について整理していきましょう。
離職票とは
離職票とは、離職したことを証明する公的な書類で、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」と言います。ハローワークで失業給付を受ける際に必要となる大切な書類です。
離職票は会社からではなくハローワークから発行されます。発行するためには、会社が「離職証明書」を作成し、ハローワークに届け出なければいけません。その後、ハローワークでの手続きが完了次第、会社に交付され、退職者に転送されるという仕組みです。
離職票は退職者全員に発行している会社もあれば、希望者にだけ発行する会社もあるようです。失業手当を受け取りたい場合は必ず必要になるので、退職前に依頼しておくと安心です。従業員から依頼があったら、会社は必ず離職票を作成しなければいけません(参考:雇用保険法第78条)。
万が一紛失してしまった場合は、再発行することも可能です。会社に依頼することもできますが、ハローワークに相談しても良いでしょう。
離職票には2種類ある
離職票には「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」の2種類あります。
「雇用保険被保険者離職票-1」は退職者に対して、雇用保険の資格がなくなったことを通知するものです。離職者氏名、被保険者番号、資格取得年月日、離職年月日、喪失原因、事業所番号、事業所名略称などが書かれています。退職者は、「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」の項目に、給付金を受け取る金融機関等の情報を記入する必要があります。
「雇用保険被保険者離職票-2」は「雇用保険被保険者離職票-1」とセットで発行されます。会社名、会社の住所、事業内容、事業番号などが記載されています。退職者は、離職理由の該当箇所に○を付けるなどし、内容を確認後、署名、捺印します。
「雇用保険被保険者離職票-2」に記載されている離職理由によって、失業給付の支給額や支給開始時期、支給金額が決定します。内容に誤りがあった場合は、給付を受けられなくなることもあるので注意が必要です。
退職証明書とは
退職証明書は、会社を退職したことを証明する書類で、退職者から申請があった場合にのみ発行する必要があります。が、トラブルを防ぐために、すべての退職者に発行している会社もあるようです。
従業員から請求があった場合は、会社は必ず交付しなければいけません(参考:労働基準法第22条)。ただし、従業員が請求しない事項については記入してはいけないルールになっています。
退職証明書は離職票とは異なり、決まったフォーマットがありません。ただし、労働基準法第22条では、使用期間、業務の種類、当該事業における地位、賃金、退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)の5項目を記載するように求めています。
退職証明書は、転職先企業から提出を求められる場合があります。転職先企業では、退職時期や退職理由、社会保険の被保険者資格を失っているかなどを確認するようです。
また、離職票が届く前に失業手当の申請や国民健康保険の加入手続きなどを進めたい場合に、代わりに退職証明書を提出することも可能です。
まとめ
離職票も退職証明書も離職(退職)したことを証明する書類ですが、離職票が公的な書類であるのに対し、退職証明書は公的な証明書ではありません。
離職票は失業給付を受ける際にハローワークに提出し、退職証明書は、転職先企業から求められた場合などに必要になります。用途も形式も異なるので、労働者は正しく理解しておくことが推奨されます。
(画像はphoto ACより)