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新しい手法を取り入れて、効果的な人材育成を行おう!

人材育成を成功させるために必要なこととは

多くの企業では、優秀な人材を育てるために、OJTをはじめとした人材育成に取り組んでいます。しかし、管理者の育成能力不足や、人材育成を受ける側の意識の低さなど、人材育成に課題のある企業は少なくありません。

また、最も一般的な人材育成の手法「OJT」は、若手社員にも中堅社員にも効果のある手法ですが、「人材育成をやっているつもり」になってしまうことがあるので注意が必要です。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が実施した「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」によると、OJTが「うまくいっている」、「ある程度うまくいっている」と回答した企業は77.7%にとどまっています。

人材育成を「やりっぱなし」「やっているつもり」にしないためには何が必要なのでしょうか。実例を紹介しながら、人材育成を成功させる方法とポイントを見ていきます。

若手社員の人材育成のポイント

企業の経営を安定させ、さらに成長していくためには、若手社員の育成が必要不可欠です。若手社員の人材育成を成功させるには「厳しさ」と「丁寧さ」を両立させるのが大切です。

会社の未来を担う人材を育てるには、一定の厳しさの中で、ビジネススキルや新しい価値観を身に付けることが求められます。しかし、厳しさだけが続くと、研修に耐えられずに離職してしまう人や、意欲が低下し会社に来なくなる人が出てきてしまいます。

グリー株式会社では、若手社員を育成する手法として、2015年から「1on1」を採用しています。「1on1」とは、上司と部下が1対1でミーティングを実施する機会を定期的に持つ仕組みをいいます。

グリー株式会社では、1回30分程度の「1on1」を行い、コミュニケーションを丁寧にとることで、キャリアや業務などの相談を受けたり、半期目標の進捗を確認したりしています。

尚、若手社員が設定する目標は、成長につながることを意識することが大切です。株式会社マッチングエージェントでは、「ギリギリ届くか届かないか」という目標を設定させることで、社員の成長を促しています。

キャリアパスを明確にして、若手社員のモチベーションを上げることも効果的です。株式会社フィードフォースでは、全職種のキャリアパスと給与テーブルを公開することによって、個人の成長を促しています。

自分が今いる位置と、これから目指すべき姿が明確になることで、より具体的に目標を立てられるようになり、目的を持って業務や研修に取り組めるようになります。

中堅社員の人材育成のポイント

近年、中堅社員の指導力や統率力不足に悩んでいる企業が増えてきました。労働政策研究・研修機構「人材マネジメントのあり方に関する調査」(2014年)によると、「近年の管理職に不足している能力・資質」として、61.7%の企業が「部下や後継者の指導・育成力(傾聴・対話力)」を挙げています。

そのため、中堅社員の人材育成は、指導力や育成力を高めることが大きなポイントとなります。

企業で「1on1」や「OJT」などを実施する際、制度だけを作って、中堅社員に丸投げしては期待したような効果を得ることはできません。

グリー株式会社は「1on1」を導入するに当たって、マネージャー向けに「1on1研修」を実施しています。「1on1で話すトピック例」など具体的な内容を共有し合うことで、指導する側の負担を少なくし、質の高い人材育成につなげています。

近年注目が高まっている「コーチング」研修を実施することも効果的です。「コーチング」とは、「問いかけて聞く」ことを通じて、相手にアイデアや選択肢に気づかせ、自発的な行動を促す手法です。

Sansan株式会社では、2015年11月から、個人向けの「コーチャ」、チーム向けの「コーチャチーム」を社内制度化し、マネージャー層の指導力や育成力の向上につなげています。(参考:SELECK「人材育成 事例6選」

まとめ

人材育成は、制度を作っただけでは期待したような効果を得ることはできません。若手社員には「厳しさ」と「丁寧さ」を持った指導を心がけ、中堅社員向けには指導力や育成力向上につながる研修を行うことが推奨されます。

人材育成が「やりっぱなし」「やっているつもり」になっているのは、社員が悪いわけではありません。PDCAサイクルを回しながら、時代に合わせた育成方法を導入していきましょう。

(画像はphoto ACより)

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