コラム

COLUMN

  1. HOME
  2. Knowledge
  3. コラム
  4. 就業規則の変更 正しい手続き方法を理解していますか?

就業規則の変更 正しい手続き方法を理解していますか?

トラブル回避のため、就業規則の変更は正しい方法で!

多くの企業においては就業規則が定められていますが、就業規則の内容が時代に即したものではない場合などは、就業規則を変更しなければならないことがあるでしょう。

それでは、就業規則を変更する場合は、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。就業規則の変更においてトラブルを避けるためにも、正しい手続きの方法を理解しておきましょう。

就業規則で定めるべき内容とは?

就業規則に記載すべき内容は法令によって定められています。記載内容は、就業規則を作成する全ての企業が記載しなければならない「絶対的必要記載事項」と、各企業において必要と判断した場合に定める「相対的必要記載事項」があります。

絶対的必要記載事項で記載する必要がある内容としては、始業・終業時刻、休憩や休日に関すること、賃金に関すること、退職、解雇に関することがあげられます。

また、相対的必要記載事項に関しては、以下の内容となります。
・退職手当に関すること
・臨時の賃金、最低賃金に関すること
・労働者が食品、作業用品その他を負担する場合の内容
・安全、衛生に関すること
・職業訓練に関すること
・災害補償や業務外の傷病扶助に関すること
・表彰や制裁を行う場合、その種類や制度に関すること
・転勤や出向、諸経費に関することなど、事業所内の全労働者に適用される内容

就業規則が変更されるケースは?

企業の運営は、就業規則に基づいて行う必要がありますが、状況によっては、就業規則を変更しなければならない場合もあるでしょう。

そこで、就業規則が変更されるケースについて、主な事例をみていくことにします。

絶対的必要記載事項には「始業や終業時刻」に関する内容がありますが、最近では働き方改革の一環で、フレックスタイム制度や在宅勤務の導入が進んでいます。これらの制度を導入する場合に就業規則を変更する必要があります。

その理由は、フレックスタイム制度を導入するにあたっては、すでに定められている始業時刻と終業時刻を変更しなければならないためです。

また、在宅勤務を導入する場合、労働時間はオフィスでの労働時間に準ずることが多いですが、場合によってはフレックスタイム制や裁量労働制が認められることがあるため、そのようなケースでは就業規則に明記する必要があります。

そのほか、現在では、賃金体系を年功序列をベースとしたものから成果主義をベースとしたものに変更する企業も多く見受けられますが、このケースでは賃金の決定方法が変わるため、就業規則を変更しなければなりません。

時代の流れによって、過去に定めた就業規則が時代にそぐわないことも考えられます。そのような事態を防ぐためにも、必要に応じて就業規則を変更すべきでしょう。

就業規則の変更手続きについて

次に、就業規則を変更する場合の手続き方法についてみていくことにします。

始めに行うことは就業規則の変更案を作成することですが、注意点は、就業規則を作成する場合と同様に、労働者の過半数の代表者から意見を聞く必要がある点です。

そもそも、就業規則とは勤務中に労働者が守るべき内容であること、また、労働条件を明確化したものであることから、内容を変更する場合は、労働者の意見を聞くことが必須といえます。

その後、労働基準監督署に就業規則変更届を提出しますが、意見書も提出することで、規則の変更内容が企業の総意であると受け止められやすくなります。

企業を経営している場合、就業規則を変えなければならないことがあります。変更する際は正しい手続きの流れを踏み、経営者と労働者がともに納得できる変更内容とすることを心がけましょう。

(画像は写真ACより)

関連記事