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社会福祉法人が「かかり増し経費補助金」をもらったら?

コロナウイルス感染症は社会福祉法人の経営にも大きな影響を与えており、従来では発生していなかった備品等の購入に関する支出が今期は多く出ていることと思います。その影響を抑えるべく創設された「感染症対策を徹底した上での介護サービス提供支援事業」の補助金、いわゆる「かかり増し経費補助金」は、皆様も申請し取得されたのではないでしょうか。

この補助金は、1点10万円以上の固定資産のみならず、1点10万円未満の消毒用アルコールなどの消耗品にも充当できます。

補助金の全額を固定資産の取得に充てたのであれば、

① 補助金の額を施設整備等補助金収益に計上
② 同額を国庫補助金等特別積立金に積立て
③ 取得した固定資産の減価償却に合わせて国庫補助金等特別積立金を取崩し

という処理の流れがイメージできると思いますが、では、補助金のうち一部を消耗品の取得に充てた場合の会計処理はどう行うのが正解なのでしょうか?

「社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱い」(以下、「運用上の取り扱い」とします)の該当する部分を以下に抜粋しましたので確認してみましょう。

10 国庫補助金等特別積立金への積立てについて(会計基準省令第6条第2項、第 22 条第 4項関係)
会計基準省令第6条第2項に規定する国庫補助金等特別積立金として以下のものを計上する。
(1) 施設及び設備の整備のために国及び地方公共団体等から受領した補助金、助成金 及び交付金等を計上するものとする。

新会計基準では、国庫補助金等特別積立金について固定資産の取得のための補助金に限定しておらず、1点10万円未満の物品の購入に充てられる補助金も積立ての対象となると解されています。そのため、今回の「かかり増し経費補助金」については、その使途に関わらず入金時に全額を国庫補助金等特別積立金に積み立てればよいことになります。

では、積み立てた国庫補助金等特別積立金はどのように取り崩せばいいのでしょうか。同じく「運用上の取り扱い」に書かれた内容を確認します。

9 国庫補助金等特別積立金の取崩しについて
(会計基準省令第6条第2項、第 22 条第1 項及び第4項関係)
国庫補助金等特別積立金は、毎会計年度、国庫補助金等により取得した資産の減価償却費等により事業費用として費用配分される額の国庫補助金等の当該資産の取得原価に対する割合に相当する額を取り崩し、事業活動計算書のサービス活動費用に控除項目として計上しなければならない。

一見すると難しく見えますが、

・固定資産の取得にかかる部分の積立金はその資産の減価償却に応じて取り崩す
・消耗品等の取得にかかる部分の積立金はその年度に全額を取り崩す

ということになります。

実務上は、
補助金の入金額 < 固定資産&消耗品の購入費用
として申請されるケースがほとんどではないでしょうか。そこで、簡単な例で処理を確認してみましょう。

例)補助金100万円で、30万円の器具備品と90万円分の消耗品(計120万円)を購入
補助金入金時
現金預金 100万円 / 施設整備等補助金収益 100万円
国庫補助金等特別積立金積立額 100万円 / 国庫補助金等特別積立金 100万円
消耗品&固定資産購入時
消耗器具備品費 90万円 / 現金預金 120万円
器具備品    30万円
決算時(上段:器具備品の減価償却に応じた分 下段:消耗品分
国庫補助金等特別積立金 xx万円 / 国庫補助金等特別積立金取崩額 xx万円
国庫補助金等特別積立金 75万円 / 国庫補助金等特別積立金取崩額 75万円※
※補助金100万円のうち消耗品に充当された額=100万円×(90/120)=75万円

このような処理をしていただければ問題ありません。

慣れない処理でお困りの点もあるかと思いますので、ご不明点はお気軽にお問い合わせください。

参考
厚生労働省「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」の一部改正について

横浜青葉事務所 村山 健太

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