平成30年度はハラスメント相談が最多に

個別労働紛争解決制度
~平成30年度はハラスメント相談が最多に~

◆総合労働相談件数は11年連続で100万件超え
厚生労働省が「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しています。「個別労働紛争解決制度」には、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法がありますが、総合労働相談件数、助言・指導申出の件数、あっせん申請の件数いずれも前年度より増加しており、総合労働相談件数は11年連続で100万件を超えています(うち民事上の個別労働紛争相談件数は26万6,535件)。

◆「いじめ・嫌がらせ」が過去最高
相談内容としては、民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数のすべてにおいて、「いじめ・嫌がらせ」が過去最高となっており、それぞれ以下の通りになっています。
・民事上の個別労働紛争の相談件数 82,797件(前年度比14.9%増)
・助言・指導の申出 2,599件(同15.6%増)
・あっせんの申請 1,808件(同18.2%増)
なお、民事上の個別労働紛争相談件数においては、「いじめ・嫌がらせ」に次いで「自己都合退職」が41,258件となっており、近年増加傾向にあります。

◆ハラスメント規制の動き
ハラスメント相談は年々増加していることから、対策が急務とされてきました。本年5月には「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」が改正されて、職場のパワーハラスメントに関する規定が設けられ、企業への防止対策の義務付けが盛り込まれました。ハラスメント問題については、6月に国際労働機関(ILO)の総会で、職場でのハラスメントを全面的に禁止する条約が採択され注目されています。
日本政府は批准には慎重な見方を示していますが、国内でも、本改正では盛り込まれていないハラスメント行為自体を禁止する規定の必要性などを訴える声もあるようです。
今後もハラスメント規制に関する動きを注視しつつ、各企業としても先手を打って対応を検討しなければならない状況となっているようです。

コンパッソ社会保険労務士法人:田中穣


関連記事

■値引き処理をする際の消費税の注意点

■交際費と寄付金の区分について

■海外で勤務中にケガした場合の労災保険について

■振替休日」と「代休」の違いについて

■少子高齢化における介護離職の実態と要因