違いは待遇だけではない?派遣社員と契約社員の違いとは?
正社員やアルバイト、パートなど、日本には様々な働き方が存在します。中でも、派遣社員と契約社員はよく似ているため違いが分からないと言う人は多いのではないでしょうか?今回は、混同しがちな派遣社員と契約社員の待遇や業務内容などの違いについて解説します。
派遣社員と契約社員の1番大きな違いは契約元
派遣社員と契約社員の大きな違いは、契約元が人材派遣会社であるか企業であるかです。
派遣社員は人材派遣会社と雇用契約を結んだ上で、様々な企業に派遣される社員のことをさします。言い換えると、雇用契約を結んでいる企業と、業務を実際に行う会社が異なっているのです。
それに対して、契約社員は企業と人材が直接雇用契約を結んでいます。無期限で雇用契約を結ぶ正社員と違い、1回当たりの契約期間が最大3年である点が特徴です。
派遣社員と契約社員の給与形態
派遣社員は時給制、契約社員は月給制であることが多いです。まず、派遣社員は人材派遣会社が定めた時給で働きます。求人情報を扱う「はたらこネット」が2020年9月に行った調査によると、関東の派遣社員の平均時給は1347円であることが明らかになっています。
関東のアルバイト平均時給は1,159円のため、派遣社員の方がアルバイトよりも待遇が良いでしょう。ただ正社員と違い、ボーナスが貰えない場合がほとんどです。
次に、契約社員は7割が月給制、残りの3割が時給制または日給制、年俸制のいずれかです。「東京都産業労働局」が令和元年行った契約社員に関する実態調査によると、契約社員の平均月収は22.2万円であることが明らかになりました。正社員の平均月収は21.1万円のため、月収のみを比較すると、正社員よりも月収が高いという特徴があります。
さらに、契約社員でボーナスを貰っている人は61.4%であり、支給額は平均24.6万円であることが分かりました。ただ、正社員のボーナス平均支給額は25.3万円のため、福利厚生面は正社員の方が優遇されています。
派遣社員と契約社員の業務内容の違い
派遣社員は人材派遣会社を仲介して雇用契約を結んでいるため、業務内容も人材派遣会社から指定されているのが特徴です。そのため、派遣社員はサービス残業や休日出勤など、定められた業務内容以外のことはしなくてもかまいません。
それに対して、契約社員は企業から指示された業務内容をこなすことになります。従って、休日出勤やサービス残業を言い渡されても断るのが難しいです。
派遣社員と契約社員の契約終了後の待遇
派遣社員と契約社員は契約終了後の待遇も異なります。派遣社員は人材派遣会社と契約しているため、企業との契約終了後は、人材派遣会社が次に働く会社を探し出してくれます。このことから、契約終了後に仕事を探す手間が省け、職を失う心配が少ないでしょう。
契約社員の場合は契約終了後無職となり、自分でまた一から仕事を探さなくてはなりません。しかし、派遣社員とは違い、正社員登用制度があります。実際、契約を更新し同じ企業と5年にわたり労働契約を結んだ場合、正社員に登用できる「無期転換ルール」があります。
まとめ
今回は、派遣社員と契約社員の違いについて徹底解説しました。下記が当記事のポイントです。
・派遣社員は派遣会社と、契約社員は実際に働く場となる企業と直接契約を結んでいる
・派遣社員は時給制、契約社員は月給制が多い
・契約終了後、派遣社員は人材派遣会社から別の企業を紹介してもらえる
・契約社員は正社員に登用可能
派遣社員と契約社員の違いを知り、自分に合った働き方を見極めたい人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
(画像はいらすとやより)