ビジネスで使う間違えやすい敬語
敬語は相手に敬意を示す話法です。 社外のみならず社内においても大切なコミュニケーションツールだと考えます。
自分が正しいと思って使っている敬語は、もしかしたら間違えているかもしれません。新入社員から見ると先輩の使っている敬語は正しいと思われがちです。新入社員も先輩社員も適切な敬語を確認してみましょう。
【二重敬語】
お見えになる(〇)
いらっしゃる(〇)
お見えになられる(×)
1つの言葉には1つの敬語が原則です。すでに敬語が使われているのに、さらに「お」をつけて、二重敬語になるケースもあります。
「召し上がる」「おっしゃる」は尊敬語として成立していますが「お召し上がる」「おっしゃられる」と誤った表現のケースもよく見られます。
【尊敬語と謙譲語を間違える】
(お客様の名前を確認するとき)
〇〇様でいらっしゃいますね(〇)
〇〇様でございますね(×)
(お客様に対して)
どちらになさいますか(〇)
どちらにいたしますか(×)
社外の人や上司には、尊敬語である「いらっしゃる」「なさいます」などを用います。「ございます」「いたします」は謙譲語なので間違いとなります。
【混同しやすい敬語】
お世話になっております(〇)
お世話様です(×)
「お世話様」は、目上の人が目下の人に向かって用いる言葉です。社外の人には使いません。
お名前を教えていただけますか(〇)
お名前を頂戴できますか(×)
お名前をいただけますか(×)
名前はやり取りするものではないので「頂戴できますか」「いただけますか」は失礼な表現です。
御社の○○様を存じ上げています(〇)
御社の○○様を存じています(×)
御社の場所を存じています(〇)
御社の場所を存じ上げています(×)
人を知っているときは「存じ上げる」を、場所や物を知っているときは「存じる」を用います。
○○様はいらっしゃいますか(〇)
○○様はおられますか(×)
「おる」は「いる」の謙譲語なので「おられますか」は間違いです。「私はこちらにおります」のように自分側の行為に用います。謙譲語の「おる」に尊敬語の助動詞「られる」をつけること自体が間違いです。正しくは「いる」の尊敬語「いらっしゃる」を用います。
いかがでしたか。正しい敬語を使っていましたか。
正しい敬語を認識することは、とても大事なことだと考えます。ただ、いくら正しい敬語を使用しても、不愛想だったり横柄な態度をとっていたとしたら、相手はどう思うでしょう。相手に不快な思いをさせないためには、笑顔で接することが大切だと思います。電話対応のときは、顔が見えないので特に気を付けなければいけません。声の明るさやトーンに気を配る必要があります。
円滑なコミュニケーションや信頼感を高めるために、今一度自分の言葉遣いを振り返ってみてはいかがでしょうか。
出典:プレジデント社「入社1年目ビジネスマナーの教科書」
横浜青葉事務所
平見 祥子