<グループ通算制度創設>単体納税法人への影響
令和2年の税制改正でグループ通算制度が創設されました。それに合わせて、グループ通算制度を適用しない単体申告法人でも、法人税の計算で影響がある改正が行われていますので簡単にご紹介させていただきます。
1.受取配当等の益金不算入の計算について
(1) 持分割合の判定について
100%完全支配関係がある他の法人の有する株式を含めた持分割合で、持分割合の判断を行います。
(2) 負債利子の計算について
関連法人株式等の受取配当金の益金不算入の計算上、控除する負債利子の計算が下記のようになります。
関連法人株式の受取配当金の益金不算入 = 受取配当金 - 負債利子
負債利子の計算 原則 受取配当金の4%
特例 支払利子等の10%相当額
改正後は、負債利子の計算において、貸借対照表の総資産、株式の金額を用いた按分計算は不要になります。
2.寄付金の損金不算入の計算について
寄付金の損金算入限度額の計算の基礎となる資本金基準の計算において、
改正前は、「 税務上の資本金等 」で判断しましたが
改正後は、会計上の「資本金+資本準備金」 に変更されます。
3.貸倒引当金の計算について
貸倒引当金の計算における金銭債権の範囲が改正され、100%完全支配関係がある他の法人に対して有する金銭債権について、貸倒引当金の金銭債権から除かれることになります。
4.資産の譲渡等に係る特別控除額について
収用換地等の特別控除において、100%の完全支配関係がある他の法人間において、合計5,000万までが控除限度額となります。
*適用開始時期は、令和4年4月1日以後開始事業年度からの適用となります。
渋谷事務所
瀧本 良枝