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3相続にかかる民法と税法(配偶者の相続権について)

第3回 配偶者の相続権について

3回目の今回は、相続があった場合に被相続人の配偶者が特別な取り扱いがされるということを確認します。

目次

配偶者の相続権

民法第890条  被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする

1.民法上の理解

民法上、法定相続人になることができるのは、被相続人の配偶者と、子や孫、父母、兄弟姉妹などの血族相続人です。他の相続人がいない場合は単独で相続人となります。

内縁の妻(婚姻届のない事実上の夫婦)や愛人などの場合は、法定相続人になることはできません。相続については、法律婚主義が厳格に守られています。
被相続人が独身、父母や兄弟姉妹が既に亡くなっているなど、相続開始時に法定相続人がいない場合があります。そのようなケースでは、内縁関係に過ぎない場合でも、「特別縁故者」として遺産を譲り受けられる途はありますが、相続権は認められていません。

2.税法上の理解

配偶者には相続税の軽減措置が設けられています。配偶者が相続した課税対象の遺産の額が1億6,000万円まで、もしくは配偶者の法定相続分までであれば、相続税が課税されない制度です。
したがって、相続人が配偶者のみであれば、仮に数千億円の遺産があったとしても配偶者には相続税が課税されません。配偶者の取得分が法定相続分を超える場合は、配偶者が取得した遺産が1億6,000万円までであれば、配偶者には相続税が課税されないこととなります。
ただし、税額の軽減を受けるためには、遺言または遺産分割によって配偶者の相続
分が確定している必要があります。遺産分割協議がもめる可能性がある場合には、遺言書を作成しておく必要があるでしょう。
 相続税の申告期限までに配偶者の取得分が確定しないケースもあります。このような場合には、配偶者の相続税の軽減措置を受けないまま一旦相続税を納付し、その後配偶者の相続分が確定した時点で、更正の請求を行うことになります。この更正の請求は、配偶者の相続分が確定した日から4か月以内に行う必要があります。

相続でお困りのことがございましたらコンパッソ税理士法人までご相談ください。

参考文献等:
国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm
関根稔、間瀬まゆ子編著「税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解」ぎょうせい

高田馬場事務所 吉田勝

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