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令和8年度の診療報酬改定については、診療報酬本体が+3.09%、薬価等が▲0.87%、全体では+2.22%となり、前回改定(診療報酬本体+0.88%)から大幅に引き上げられることになりました。
今回の改定では、次の4つの基本方針が掲げられています。
(1) 物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応【重点課題】
(2) 2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進
(3) 安心・安全で質の高い医療の推進
(4) 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
今後、諮問・答申等を経て、令和8年6月に施行される予定です(薬価等は4月施行※材料価格は6月)。
出所:「令和8年度診療報酬改定の基本方針」(令和7年12月9日、厚生労働省)
「診療報酬改定について」(令和7年12月24日、厚生労働省)
この制度は、少子化・人口減少が危機的な状況にある中で、子ども・子育て世帯を支えるために「全世代・全経済主体」が連帯して負担を分かち合う新たな仕組みです。令和8年4月分保険料(5月納付分)から、医療保険や介護保険の保険料と合わせて「子ども・子育て支援金」が徴収されます。
支援金の用途は、こども未来戦略「加速化プラン」の施策である、(1)児童手当の拡充、(2)妊婦のための支援給付、(3)出生後休業支援給付、(4)育児時短就業給付等とされています。
経営面への影響としては、「子ども・子育て支援金」は医療保険の保険料と合わせて事業主からも徴収されるため、法定福利費が増加する可能性があります。一方、優秀な人材確保・社員の出産・育児離職防止等の観点から、制度導入を機に、自院の育児支援制度・時短勤務制度等を見直すきっかけとすることも一考でしょう。
参考資料:「子ども・子育て支援金制度について」(令和7年3月、こども家庭庁)
「令和8年度より『子ども・子育て支援金』が始まります」(健康保険組合連合会)
高市政権では、「自由民主党 日本維新の会 連立政権合意書」の中で、社会保障政策について令和7年度中に、以下を含む社会保障改革項目に関する具体的な骨子について合意し、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行するとしています。高市首相は「当面の対応が急がれるテーマについては、早急に議論を進める」としており、政策の実行力が期待されます。
(1)保険財政健全化策推進(インフレ対応)
(2)保険者機能の強化(再編統合)
(3)中医協改革(病院機能の強化、創薬機能の強化、患者の声の反映及びデータに基づく制度設計等)
(4)医療費窓口負担等の真に公平な応能負担の実現
(5)「高齢者」の定義見直し
(6)人口減少下でも地方の医療介護サービスが持続的に提供されるための制度設計
(7)国民皆保険制度の中核を守るための公的保険の在り方及び民間保険の活用に関する検討
(8)大学病院機能の強化(適正な給与体系の構築等)
(9)高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善(診療報酬体系の抜本的見直し)
(10)第3号被保険者制度の見直し
(11)医療の費用対効果分析に係る指標の確立
(12)医療機関の収益構造の増強・経営の安定化を図るための医療機関の営利事業の在り方の見直し
(13)医療機関における高度医療機器及び設備の更新等に係る現在の消費税負担の在り方の見直し
参考資料:「自由民主党 日本維新の会 連立政権合意書」(令和7年10月20日、日本維新の会ホームページ)
初診の方や時間に余裕のない方、高齢の方など、来院する患者さんは様々です。それらの患者さんと話す際にうまく伝わらないことがあります。これは患者さんの興味や理解度、話し手と聞き手の立場の差なども関係すると思われますが、ちょっとした話し方の工夫で改善されることもあります。
そこで、患者さんとのコミュニケーションの壁を低くするための、話し方のヒントをご紹介します。
<“伝わりやすい”話し方のヒント>(例)
〇まず姿勢を整える(背筋を伸ばして患者さんの方を向く。背もたれにもたれない)
〇クッション言葉を使いこなす(「念のため」「お手数ですが」「もし差し支えなければ」・・・)
〇患者さんの反応を見ながら話す(内容を理解しているか、専門用語を使いすぎていないか)
〇相づちは種類を豊かにタイミング良く(「なるほど」「大変でしたね」「そうでしたか」・・・)
〇自分が話し終わった後の患者さんからの質問などをしっかりと受け止める 他
令和7年12月5日に成立した「医療法等の一部を改正する法律」では、主に次の事項について必要な措置を講ずるとされ、一部の規定を除き令和9年4月1日施行とされています。
<改正の概要>
1地域医療構想の見直し等
(1)2040年頃を見据えた医療提供体制を確保するための見直し
(2)「オンライン診療」を医療法に定義し、規定を整備する
(3)美容医療を行う医療機関における定期報告義務等を設ける
2医師偏在是正に向けた総合的な対策
(1)都道府県知事が、医療計画において「重点的に医師を確保すべき区域」を定める等
(2)外来医師過多区域の無床診療所への対応を強化する
(3)保険医療機関の管理者についての要件を定める
3医療DXの推進
(1)必要な電子カルテ情報の医療機関での共有等。政府は令和12年12月31日までに電子カルテ普及率約100%を達成するよう、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の先端的な技術の活用を含め、医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならない
(2)医療情報の二次利用の推進のため、厚生労働大臣が保有する医療・介護関係のデータベースの仮名化情報の利用・提供を可能とする
(3)社会保険診療報酬支払基金を医療DXの運営に係る母体として名称、法人の目的、組織体制等の見直しを行う。また、厚生労働大臣は医療DXを推進するための「医療情報化推進方針」を策定する
参考資料:「医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」(令和7年4月3日、厚生労働省医政局)
「医療法等の一部を改正する法律案」(令和7年12月5日)
令和8年2月以降、各銀行は順次、貸金庫に現金を保管できないようにする対応を行う予定です。
これは、「マネーロンダリングやテロ資金供与等の不正利用を防止する」という理由等から、金融庁の監督指針の改正や全国銀行協会の貸金庫規定のひな形の改正等が行われており、各銀行がそれらに準じた対応をとるためです。
例えば、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は2月1日から、りそな銀行は2月28日から、三井住友銀行は4月1日から、貸金庫に現金を保管することができなくなります。詳細については各銀行のホームページをご参照ください。
医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会(厚生労働省)で、医療機関における医療安全管理体制と医療事故調査制度に関する報告書がまとめられ、令和7年12月22日に公表されました。その中で、今後の対応策として、医療機関の医療安全管理委員会が把握すべき重大事象が明確化され、「回避可能性が高く、患者への影響度が高い12の事象」を重大事象に含めることが適当であるとされました。
<回避可能性が高く、患者への影響度が高い12の事象>
(1)手術等の侵襲的手技※1における患者、部位、手技又は人工物の取り違え
(2)手術等の侵襲的手技※1における意図しない異物の体内遺残
(3)薬剤又は栄養剤等の投与経路間違い(経消化管/非経消化管投与の取り違え又は経静脈/髄腔内投与の取り違え)
(4)ハイアラート薬の過剰投与
(インスリンの予定量の10倍以上の投与、高濃度カリウム液の急速投与又は抗がん剤の過量投与)
(5)既知のアレルギー又は禁忌薬剤等の投与※2による死亡又は後遺障害
(6)意図しない不適合な血液又は血液製剤/成分の輸血又は臓器の移植
(7)放射線治療における照射線量の設定間違い、照射部位の間違い又は累積線量の誤認
(8)栄養剤等の注入前に検出されなかった消化管チューブの気道への留置
(9)気管切開チューブの迷入による死亡又は後遺障害
(10)医療用ガスの取り違え、酸素投与が指示されている患者への無投与による死亡又は後遺障害
(11)医療機器の誤使用又は故障による死亡又は後遺障害
(12)重大な検査結果※3の確認、伝達又はフォローアップの失敗による死亡又は後遺障害
※1 手術室以外で行われるものを含む。カテーテルや内視鏡を用いた検査・治療、中心静脈穿刺、その他の穿刺(末梢血管穿刺等の軽微なものを除く)を含む。
※2 アレルギー・禁忌情報を把握した上で、リスク・ベネフィットを医学的に判断して投与した場合を除く。
※3 検査結果には検体検査・画像検査・生理学的検査・病理学的検査が含まれる。重大性の定義は各病院で設定する。
出所:「医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会報告書 補足資料」(令和7年12月22日、厚生労働省)
